紀行

マレー半島縦断列車の旅(6)

 2013年2月18日 池内淑皓
[クアラルンプールの町を歩く]
 クアラルンプール(以下KLと略す)周辺の見所を更に掲載したい。
       
 ツインタワーとKLCC公園周辺図(地球の歩き方「マレーシア」より抜粋
スルタン・アブドウル・マサト・ビル(旧連邦事務局ビル)
 ビクトリア洋式、イスラムのムーアー様式、インドのムガール様式の融合したデザインで、植民地時代を代表する建物として知られている。
イギリス人建築家ノーマンの設計で1894〜1897年に建てられた、最高裁判所として使用されていたが現在は通信文化省のビルとなっている。一般の人は建物の中に立ち入れないが、回廊は一般道として解放されている。回廊の中を歩くと気温が少し下がり、吹き抜ける風が頬に心地よい、アラビアに居る感じがしてくる。
        
 国立歴史博物館(1910)  
1910年銀行として建てられた、ムーアー様式とイスラム建築の調和が見事。
国立織物博物館
 1905年マラヤ連邦鉄道事務局ビルとして建てられた。イスラム建築の影響を強く受けている、赤レンガと白い石膏の組み合わせが美しい、回廊の格子窓がイスラムらしいアクセントを添えている。                           
 ペトロツインタワーとその周辺
高さ452mもある一大商業施設で、1998年日本の企業と韓国の企業連合によって建設された。41階の高さに横断ブリッジがありKLのシンボルとなっている。
このビルには伊勢丹、ユニクロ、紀伊国屋書店等多くの日本企業が入った一大ショッピングセンターとなっている。

     
KLCC公園にて
ツインタワー前の広大な公園、昼下がりの今ここは35度の暑さがある、都会のオアシスとして、子供たちは水遊びに興じている、もちろん無料だ、日本には無いゆとりが感じられる、周辺にはアトラクション形式の科学館、水族館もあり、終日ここで過ごすことが出来る。
 食事はツインタワー内で好きな物が食べられるし、回転寿司屋もある。寿司職人は現地人であるが、マスクと、ヘアーキャップと、ビニール手袋の着用が義務付けられている、何とも無粋で私は全く食べる気がしなかった。

 
スリ・マハ・マリアマン寺院
代表的なヒンズー教寺院の玄関口である、全部で228体もの守護神やその従者達で埋め尽くされている。これは寺院の入口「ゴプラム」 (門塔)と云う、ゴプラムは現世から神聖な場所への境を象徴しており、五層になっている形は人体の足の部分を表している、仰向けに寝ると足の先が上を向くように天を仰ぐ形となっている。

寺院の内部、本尊を見る
中央奥は本尊の女神「マリアマン」像(カーテンに隠れて少し見える)、南インド・タミルナードウ洲やカルナータカ洲に起源があると云う。
 右側の台上に座っているのは獅子(ライオン)で、女神マリアマンの乗り物である。女神が鎮座する方をじっと見つめて待機しているのだ。因みにビシュヌ神の乗り物は聖鳥“ガルーダ”である。
 マリアマンはインドタミル語で「マリ」は雨、「アマン」は母を意味する、もともとは農村を守護し雨を司る女神。また病気を治す女神として崇拝されている、タミル系インド人に絶大な人気がある。

 
ブキビンタン、アロー通り
私が滞在している宿のすぐ近くにあるレストラン街、店先が道路まではみ出す屋台式レストランがずらりと並ぶ、中華料理、マレー料理、インド料理、ベトナム料理、タイ料理と何でもありだ、私も地元の人と歓談しながら飲食する。 一人旅ならではの至福のひと時だ(右)、私の隣の若者はイキャウ君と云う(Yekyau)マレー人で、手招きして私を仲間に入れてくれた、彼らはイスラムであるから、お酒を飲まない、Eメールアドレスの交換をする。
                   

続く