紀行

マレー半島縦断列車の旅(7)

 2013年2月19日 池内淑皓
[ マラッカへ移動 ]
 11月27日(火)旅行12日目はクアラルンプール(KL)からマラッカへ移動する、マラッカは海辺の町であるから、マレー鉄道の最寄駅であるタンピンからかなり離れている、一般的にはKLからバスで2時間程(5,200円)であるが、鉄道を利用すると半日行程となってしまう、今回は鉄道にこだわる旅であるから、あえて鉄路での移動を選ぶ。
 KL駅構内にあるマレー鉄道予約センターでマラッカに一番近い「タンピン」までの二等車座席指定を購入する、 KL始発9:00シンガポール行きの急行列車、料金は500円で安い。KLから一日3本の列車がシンガポールに向けて発車する(9:00、14:06、寝台列車の23:00)。
 ウッドランズ行は定刻に出発した、50%ほどの乗車率であった。列車は山岳地帯を走る、アブラヤシの畑が延々と続き車窓風景も殺風景になりがち、スンビラン州の州都セレンバンを過ぎると下車駅のタンピン駅には11:20ほぼ定刻に到着した、走行距離は122km。

 
KLからマラッカ方面の地図、国境を挟んでインドネシアスマトラ島     KLからマレーシア南端のウッドランズへの時刻表
KL シンガポール ウッドランズ行 急行列車 ホームにて 客車を牽引するディーゼル機関車

[閑話休題] 
 ここでマレー鉄道について紹介してみよう。
タイ国境からシンガポール国境まで950km、東海岸線と西海岸線の二系統がマレー半島を縦断している、全線ディーゼル機関車で電化されていない、そして単線。私が今旅をしている路線は国際急行の走る西海岸線である。
 急行列車には昼間走るエクスプレス ラヤット、夜行寝台列車のエクスプレス スナンドウン マラムがあり、長距離列車は一日3本走っている、前売り乗車券は60日前から買える事が出来るが、二日位前に窓口で手配すれば指定席が入手出来る、料金は安い。
外国人のために、全線乗り放題のツーリストレイルパス5日間、10日間、15日間があるが(5)で既に記述したので省略する。またタイのスンガイコロクからグマスに向けて東海岸線があるが、一般的でないので省略する。

タンピン駅にて  町の小さな停車場の感じ 駅の切符売り場  右の青い看板は時刻表

タンピン駅は小さく田舎の停車場と云う感じだ、地元の人達は迎えの車に乗って立ち去る、ツアーの旅行者は送迎マイクロバスで出発してしまう、路線バスは走っていない、タクシーが一台待っていた。マラッカの町まで1時間1,800円だという、安ホテルの一泊代に相当するが仕方がない、トヨタのボロタクシーでマラッカの町に向かう。
 泊まりのお目当ては、宿のオーナーの奥さんが日本人だというゲストハウスに泊まる事にした、宿代はタクシー料金と同じだ、さすがに日本人が経営者となると部屋は明るく、奇麗で清潔であった。到る所に日本人らしい細やかな配慮が嬉しい、今まで12日間宿泊した中で最も清潔であった。奥さんにその事を話すと、「料金の割に奇麗だから日本人の宿泊客が多い」と言っていた、この日も日本人の若者が2人滞在していた。
 食事は宿の近くに大型ショッピングセンターがあるので全く心配いらないし、近くにコンビニもあるからビールは冷蔵庫代わりに利用できる。
 
トラベラーズロッジ入口 小さいので見落としがち、ロビーは二階にある

続く