紀行

マレー半島縦断列車の旅(10)

 2013年3月4日 池内淑皓
[ シンガポールの町を探険する ]
 11月30日 シンガポール滞在二日目の今日は、町全体を把握するためにMRT南北線に乗って、電車の中から町を観察してみることにした、まず泊まり先のファーラーパーク駅からMRT東北線でドービーゴート駅に出て、南北線に乗り換える。電車の乗り方は簡単、切符券売機の前にある路線図を見て、英語版を指定する、英語表記で目的駅をタッチ、料金が表示されるから小銭を投入する、カード切符とおつりが出る、日本のスイカのように改札口にかざすと扉が開く。カードには デポジットとして 1M$ が付加されているから、目的地で出札したら券売機でカードを入れて払い戻しを受ける。
切符は最長90分を過ぎると時間切れでペナルティーがかかるから、片道45分で帰れる距離を乗ることにした。

電車内での禁止事項を数例紹介しよう。
@)駅構内に動物を連れてきてはいけない
A)ドリアン(悪魔の食べ物と云われるおいしい果物で強烈に匂う)を持ち込んではいけない
B)車内、駅構内をブラブラ歩きまわってはいけない
C)切符を曲たり、はじいて音を立ててはいけない
D)座席の上に足を投げ出してはいけない 
等まだあるが略す。

 町の中心地から3〜4駅郊外に出ると急に緑が多くなり、サラリーマン用のマンションが林立してくる、緑の中にカラフルで、外観デザインの美しい高層集合住宅があるから、住環境は申し分なさそうに見える。工場地帯は島の西、ジュロン地区に集中しているから、公害は特定の所に封じ込めている感じで、生活環境の中に持ち込んでいない感じを受けた、だから町はとても綺麗、ガムを捨てたら罰金、唾を吐いたら罰金の国だから当然だ。
  
シンガポール全図(地球の歩き方(シンガポール)より)
電車の全てが高架か地下となっておりチンチン踏切はない、車内の「優先席表示」右の赤い禁止マーク表示で車内で飲食してはいけない、違反は$500(3750円)、煙草を吸ってはいけない違反は$1000と書いてある
郊外の住宅団地群 (電車内から撮影)
 500万人余の国民のうち約85%が政府・住宅開発庁が建設した高層の住宅団地(HDB)に住んでいる、残りの15%が民間のマンションか土地付き戸建て住宅に住む、わずかに昔からの木造住宅に住むプラナカンがいる。
 このHDBに住む人は中産階級で、独占与党の「人民行動党」が安価に供給しているマンション(アパート?)に居住している、したがって人民行動党を支持しなければ、住まいも家の修繕もままならないという。
車窓から見る限り空気はきれいだし、鉄道網は発達しているし、住んでみたい国の一つだと思う。
 
 シンガポールでの見所一番は ライオンの口から水を吐きだすマーライオンパーク周辺に止めを刺す、シンガポール向けのガイドブックや旅行パンフレットには必ず載っている、私も真っ先に観光した見所の一つだ。
 MRT南北線シティーホール駅で下車し、歩いて10分程の所にあるプラナカン博物館に寄る、既に記述したがプラナカンとは土着のマレー人と外来の中国人、インド人等との混血の子孫達を指し、刺繍や陶器、料理に独特の文化を作り上げていった。私は博物館で繊細な色彩を帯びる「鳳凰と牡丹」の図柄が入る磁器のお皿を購入した。
 
プラナカン博物館(1912年に建てられた) 博物館玄関前で
つぎの見所はアジア文明博物館、建物は19世紀に建てられた歴史的建造物。
展示物は、東南アジア、南アジア西アジア、中国、ユーラシア全体と幅広い文化財が展示されている、ゆっくり見ようとすれば半日はかかりそう。
      

続く