県外会員便り


富士山麓雑感

田村 心一
(山梨県富士河口湖町在住)

早期退職者優遇制度を利用して仕事を離れた(そんな時代と制度があったのだ!)。山梨県担当として約10年勤務後のことで58才の時。以来住み続けており、もう15年になろうとしている。県東部 富士五湖周辺担当が長くそれなりの苦労もあった現役時代、富士山はいつも傍にあり励ましてくれた。そして自分も気合を入れ直していた(ような気がする)。
 それぞれの土地で自分の住んでいる所からの富士山を一番とする声は数多い。全くその通りで私も自慢する。住居から真南に位置する富士山は遮るものがなく屹立しており惚れぼれする。また稜線を長く伸ばしたその優美な曲線に、またまた惚れ直す。季節、天候、時刻でガラッと変わり見飽きることが無い。時に姿を隠してしまうのもご愛敬かな。年金頼りの貧乏暮らしだが、富士山のお陰で景色だけはリッチそのもの。近年は世界遺産やら噴火予測やらと世情騒がしく、木花之開耶姫(ご祭神・このはなさくやひめ)も心静かに過ごせないだろうと同情申し上げている次第。
 当地ウォーキング環境は申し分なくAAAといえる。土地柄、平坦路は湖畔周回道路くらいなもので、上り下りは避けられず、標高900m前後の高地トレーニングを日々強いられる。四国巡礼用語に「同行二人」という有名な言葉があるが、当地では木花之開耶姫とのそれであり心強い。とはいえ老化の進んだ身体のこと、姫とのカップルウォークをさらに継続させるには、心身の健康維持管理が重要課題の昨今となっている。
それにしては年々寒さへの耐性が弱ってきてるなぁ。