紀行文

オリンピアード2013 イタリア大会に参加して

高田 栄
日本チームの行進 ドロミテ渓谷の風景

高田 栄さん
オリンピアード2013とは「国際市民スポーツ連盟」「IVV」が2年に一度開催するウオーキングの祭典です。ウオーキング・自転車・水泳の3種目があり、勝負を目的としない、いつでも・誰でも・どこでも出来る健康志向のスポーツイベントです。 
今年はイタリアの「セルバガーデン・ドロミテ渓谷」で6月25日〜29日に開催されました。ドロミテ渓谷といえば「世界遺産登録の世界的観光地」として有名です。周囲の山々が長年かけて風雨に打たれ、岩山がむき出しとなり、奇岩の山となって連なっています。その景色を見るだけで驚き、感激するのです。参加した仲間たちは皆同じ事を呟きます「今まで色々なIML大会・国々に参加したが今回のドロミテ渓谷は最高」と。空気・景色・環境・空・水・山々の色等々。夏は避暑地。冬はスキー。この地区にはスキー場が500程あるらしい。山々の標高はいずれも3,000m以下だが、北からの冷風によって、ほとんどの山々は雪をかぶっている。

 6月24日 成田を発ちフィンランド、ドイツ経由で25日に現地のセルバガーデンに到着。大会会場で参加登録をしていると、世界各国からウォーカーが次々とやってくる。日本からも旅行会社チームを含めて100人以上が参加した。日本人に会うと心強い。
 夕方6時30分開会式のため各国の参加者たちは、ブラスバンドを先頭に国旗を掲げ大パレードです。その数は3,000人以上いただろうか。街はお祭りムード一色になっていた。

 26日(水)晴 朝は寒い。会場付近は海抜1560mで麓より10℃ほど低い。今大会は3会場が設けられ、シャトルバスで繋がれていた。メイン会場(スタート&ゴール):セルバガーデン、サブ会場:STクリスチナ(海抜1,428m)、サブ会場:STウルリチ(海抜1,238m)。コースは5km、11km、16〜18km、24kmで高低差がある。ウォーカーのスタート地点は各自に任されるが、ゴールは何れもメイン会場になっている。
私はメイン会場から24kmコースを歩きました。高低差345mで、まさに山あり谷ありでした。お花畑・牧場・カラマツ・松林・川のせせらぎ・滝などの眺望でゴールまで疲れを感じなかった。そしてゴール後、仲間と共に、ケーブルカーで2,257m地点へ上りました。ケーブルカーから外へ出ると周りには残雪があり、雄大な眺望で胸が大きく膨らみました。

 27日(木)サブ会場STウルリチからメイン会場をめざし18kmコースに参加。このコースの全てがすばらしかった。(コース高低差 420m)。このコース途中でイタリア人の中年女性に出会った。しばらく同行したが、明るい人だった。片言英語で会話。その人は右足膝下切断・義足だった。でも両手にノルディックステッキを持ち、楽しくリズムよく歩いておられた。その人に私は「あなたはグレートウオーカーですね」と讃えた。

 28日(金)前夜会場近くまで降雪があり、午前中は雨模様で寒い!冬物衣料を買った。11kmを歩いた。午後になって天気が回復したので、仲間とケーブルカーで高い山へ上がった。
 29日(土)いよいよ最終日。サブ会場のSTクリスチナからメイン会場を目指す18kmコースに参加。高低差268m。疲れを感じない。ウォークを楽しんでいるうちにゴールした。
 30日(日)会場を後にして、イタリア・ミラノへ向かう。ミラノではレオナルド・ダ・ビンチ美術館を訪ね「最後の晩餐」などの名作を観た。