紀行文

寅次郎ウオークの旅
― その後の足跡 13 ―

海外篇(イタリア 2)
平野  武宏
 イタリア北部南チロルのドロミテ地方で開催の「第13回 IVVオリンピアード イタリア大会」を終わった寅次郎一行の次のスケジュールは南に下るイタリア観光の旅。専用バスでドライバーは引き続き、もみアゲ野郎のTICA氏。ボルツァーノ在住で山道は得意だが、都市部にはちょっぴり心配もあるが、本人曰く「ノー プロブレム」

6月30日(日) ボルツァーノ〜ヴェネチア
 リンゴ畑・ブドウ畑を見ながらシェックスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台となったヴェローナを通過し、ヴェネチア(英語読みではヴェニス)へ。ヴェネチアには車では入れず、降りて船で渡る。まずは船から世界遺産の街を見る。
 
大型観光船が入港したとかで、街中は人の波。ランチはイカ墨スパゲッティー、デザートは濃厚なジェラードでパスタに飽きた寅次郎、おいしくいただきました。
イカ墨には翌日以降、排出でご苦労された方もいたとか・・

ガイド付きでドゥカーレ宮殿(大統領の住まい)を見学。 写真撮影は中庭のみ(右上)     
ゴンドラに分乗して運河めぐり
ホテル
サンマルコ広場

ホテルはサンマルコ広場の裏で前は運河。ロビーは百合の花の匂いで一杯。
ホテル手前の建物で食事でしたが、お客の多さで料理の出てくる時間に差があり。さらにテーブルではレディファースト。ついに最後の人となった寅次郎、料理が来たら、一言文句を言おうと言葉を考えていると、なんとお皿には魚2匹(前の人までは1匹)日本人慣れした対応か? にこにこ顔でいただきました。

7月1日(月) ヴェネチア〜ピサ〜フィレンツェ

 海水が浅いので海上タクシー(写真下左)に分乗してヴェネチアを出発。前に見える橋はリアルト橋。
上陸し、アペニー山脈を横断し、フィレンツィを通り過ぎ、ピサへ向かう。
ピサの斜塔にも観光バスは乗り入れられず、駐車場からはおもちゃの汽車のような乗り物(写真下右)に乗り換える。もちろん有料だ。
ピサの斜塔はロマネスク建築の大聖堂(ドゥオモ)の付属建物(鐘楼)だったが、傾いてしまった斜塔の方が有名になったとのこと。            大聖堂の天井には長い間、振り子の等時性を発見と信じられてきた「ガリレオランプ」(写真上)これは嘘とのこと。
高さ54m、らせん階段294段を上った後は定番の写真撮影の後、フィレンツェのホテルへ向かう。

7月2日(火) フィレンツェ〜ローマ

 15世紀のイタリアで神が支配する中世的な価値観から自らを解き放ち、人間中心の在り方を求めようとする動きが興った。やがて絵画・建築・彫刻にまたがる文化活動のうねりとなり再生・復活を意味するルネッサンス運動に広がっていったとのこと。フィレンツェは名実ともにルネッサンスの故郷。ここを舞台に多くの天才達が活躍した。
高台にあるミケランジェロ広場からフィレンツェの市街を見下ろす(写真下)
  
天才達も同じ光景を眺めたのかと感動する。
そんな感動も、その後の徒歩観光で「泥棒・スリに注意!」と添乗員・ガイドさんから何度も言われ、打ち消しされてしまった。

特に女性には注意!だそうで、声をかけられたら要注意。気安く声もかけないようにと言われ、口にチャックの寅次郎でした。とにかく日本人はカモだそうだ。
被害はありませんでしたが、目前で肩を組んだ相手のお尻のポケットを触っている男を目撃しました。
今回のツアーとは別にイタリアに行ったT氏は駅でバックをひったくられお金が入っていないので中のカメラを投げ返されたとの話を帰国後聞いた。

14世紀に完成した美しい教会でミケランジェロやガリレオはじめ多くの偉人が眠る、サンタ・クローチェ教会(写真右)
建物を夢中でシャッターを切るっていると、ガイドさん推奨は左「サン・ジョヴァンニ洗礼堂」右「ジェットの鐘楼」その間に「ドゥオモのクーポラ」の三つの建物が撮影できるポイントはここでした(写真下)。ドゥオモの大円蓋は数学的比例を取り入れたルネッサンス建築だ。
ドゥモの正式名称はサンタ・マリアデル・フィオーレ大聖堂。彫刻・絵画・ステンドグラスと美しい内部(写真下)を見学した。
彫刻がむき出しに並ぶ、シニョ―リ広場からアルノ川にかかる中世の橋ヴェッキオ橋へ。橋の両側には金銀細工の店が並ぶ (写真下右)

今日の最大の見所であるルネッサンス美術の世界的宝庫ウフィツィ美術館へ。
入場にはテロ事件以来、手荷物検査が厳しくなり荷物の他ペットボトルも持ち込めない。
ウフィツィ美術館はルネッサンス時代のメディチ家のコレクションの宝庫でメディチ家の事務所として建てられもの(ウフィツィとはイタリア語で事務所)。貴族のスケールの違いを見せつけされる。
美術館の窓からの見たベッキー橋(この一帯もメディチ家の敷地だそうだ)(写真右)

有名なボッチェリ「ビーナスの誕生」、ダヴェンチ「受胎告知」他、ラファエロ、ミケランジェロ、フラ・アンジェリコ等のルネッサンス芸術家の傑作をすぐ近くで見ることが出来た。日本ではとてもできない体験だ。
   
交通ルールを守らないイタリア人のためか赤信号のみ注意喚起で大きなサイズになっているが、ローマの街に入るとドライバーのルール無視にボルティァーノ在住のドライバーTICA氏「マンマ ミーア!」(なんてことだ!)を連発しぼやいていたとか。
  
無事、ローマのホテルに到着した。
   
―イタリア 3へ続くー          平野 寅次郎 拝