ウォーキングがきっかけで

日本百名山完登


中村 弘道

 私はこの正月に古希を迎えました。平成18年会社を退職後に油絵を始め、アウトドア活動としてFWAに入会(平成19年)しました。例会では会員皆様との情報交換も有益でした。ある時アルプスの山談議をした折にシニアに相応しい山岳ツアー(町田)があることを知りました。丁度焼岳(2,455m)の企画があって軽い気持ちで参加したところ、マイクロバスの登山口と下山口への送迎が便利であったし、同世代メンバーのゆっくり登山は長いブランクにも拘らず私に安心と自信を取戻させてくれました。
日高最高峰・幌尻岳にて
 若い頃は会社のワンゲル活動で槍ヶ岳、北岳など山の魅力を体験していたこともあり、これを機に登山意欲が蘇りツアーへの参加を始めました。メンバーからは『深田久弥・日本百名山』のリクエストが多くあったので、九州や北海道の山行まで進んで参加する内に百名山の実績(平成21年まで21座)も次第に増えました。百名山に挑み楽しむ喜びも出てきたこの時期、私の本気度?を窺い知ったFWA会員の八幡三郎さんが、所蔵する『週刊日本百名山(朝日新聞社)』の全巻50冊を気前よくプレゼントしてくれました。このシリーズは一座毎の解説など山岳の探求に大いに役立ちましたし、リアルな鳥瞰図などに目を通す度に山の誘惑に駆られました。

 山行も平成21年まではツアーに依存しましたが、平成22年に車で一人旅をしている方に出会い、登山に同行して駐車場の確保・自炊・車中泊・コンパスの使い方など、安全な単独行の仕方を教わり自主的に動ける様になりました。
 ツアーに頼らずに行ける所は車(休日・深夜割も利用)での単独行、夜行バスでの移動と駅レンタカーの利用、遠地ツアーも復路はツアーを離れて単独行を加えるなど、費用や効率も考えて一座〜連座の山行計画を綿密に立てました。今時パソコンから必要情報は何でも収集できました。百名山山行データ、山小屋HP、登山者山行録、道路ナビ・道路情報、立寄り温泉、山の天気予報などで、これらの情報を集めながら計画を練る楽しさは格別でした。
百座目の平ヶ岳にて  25/10/18
 平成23年には通算39座の実績を自信にして百名山完登を一大決意し、期限も古希を迎えるまでとしました。これより年間20座を目標に一路邁進の結果、平成25年10月越後・平ヶ岳を最後に完登を果たしました。私は百座の夫々に山河風景を楽しみ、喘ぎ苦しみながら極めた頂に喜びと充実感を味わいました。山への関心事も色々ですが、私は絵が趣味なので高山に脚を運んでこそ得られるモチーフを見つけ一座一葉のスケッチを続けてきました。そして帰宅後の水彩仕上げは山の余韻を楽しむひと時になりました。

 振返れば年齢の制約など気にしながら目標達成を急いだことは否めませんが、これで百名山にかける探求も終えたわけではありません。雨のリベンジ、季節を変えて、ルートを変えて、スケッチ未完の山へなど願望はキリがないですが、まだまだ体力と相談しながら余生の山行を楽しみたいと思っています。
 山は相変わらずツアー・個人共にシニア世代が多数を占め“百名山狙い”も静かなブームとして健在です。ウォーカー諸氏にはアルプスを経験し健脚な方もおられるでしょうし、本気度次第!でチャンスは生まれます。これがチャレンジへのきっかけとなれば幸いです。今の私は登山復活から完登に導いて頂いた方々、苦楽を共にした山の友人たち、見守ってくれた人々、皆様に心から感謝している日々です。
 なおFWA会員として百名山が一段落したところで今後はご無沙汰していた例会やYRウォークにできるだけ参加したいと思っています。
【登山経歴】
S39〜54 11座 /退職後 H18〜22 28座 /H23〜25 61座   
*内ツアー参加 39座 /会社・個人 31座 /単独行 30座

日本百名山の登山のおりにスケッチした一部

鳥海山心子雪渓 H21・7・3 聖岳 上河内岳鼻より H23・7・13
谷川岳 西黒尾根よりトマの耳・オキの耳 金峰山 頂上五丈石 H24・5・24
羅臼岳 H24・8・27 雌阿寒岳 頂上火口 H24・8・29
剣岳 剣沢より H24・9・22 会津駒ヶ岳 H25・7・1
魚沼駒ヶ岳 山頂 H25・10・17