紀行
健康ご利益めぐり-5 目黒区-2
平野 武宏 |
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引き続き、目黒区の東横線沿線の健康ご利益めぐりです。 同じ寺社内に複数の健康ご利益があり、病気平癒のお願いがまとめて出来ます。 最寄駅は代表例です。 |
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[目黒区-2] | |
[皮膚病・美肌]正覚寺 瘡守稲荷大明神 中目黒3-1-6 最寄駅 東急東横線 中目黒駅 |
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中目黒駅から山手通りを目黒駅方面に進み駒沢通りとの交差点にあります。 仙台藩ゆかりのお寺で本堂の右手前にはお局風の像がありました。近寄ってみると 「三沢初子の像」とあり、伊達騒動のお話で若君を守るため、わが子を見殺しにした「政岡」のモデルになった方とのこと。 左側に皮膚病の守護 瘡守稲荷(写真右)がありました。疱瘡(天然痘)はワクチンが出来るまで死の病と怖れられていて、各地に多くの瘡守稲荷があり神頼みでした。 赤い色は疱瘡神を避ける呪力があるそうです。 又、肌や皮膚に強い治癒力を持つとの評判で美肌やアトピー性皮膚炎で女性が訪れるスポットだそうです。 |
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[諸病平癒]正覚寺 浄行菩薩 |
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並んで浄行菩薩のお堂があります(写真右)日蓮宗の四菩薩で水で世の中を浄化、人々の煩悩を断ち切ってくれることから、自分の患部と同じ場所に水をかけ、備え付けの束子でこすり病気平癒を祈願する信仰が広まったとのこと。 後ろの沢山の千羽鶴がご利益の証。 |
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[疳の虫(かんのむし)]正覚寺 鬼子母神堂 |
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境内に三つ並ぶ建物の一番左の建物です。護摩供養をすれば「疳の虫」に効くという御札を授けてくれるそうです。 疳の虫とは乳児の異常行動を指す俗称で特に夜泣き・かんしゃく・ひきつけなどを指すそうです。疳の虫によって起きると信じられ、江戸時代から呪い師やヘビトンボの幼虫を乾燥させた漢方薬があったそうです。 |
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[咳・百日咳、はしか]祐天寺 宝筺印塔 中目黒5-24-53 最寄駅 東急東横線 祐天寺駅 |
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駒沢通りを祐天寺方面に行くと、東急東横線の駅名にもなっている享保年間造立の浄土宗の名刹があります。 開山の祐天上人は増上寺の第三十六世で徳川将軍家の庇護を受けた名僧とのこと。 本堂(写真右)手前には荘巖な山門・仁王門がありました。 右側には歌舞伎の怪談で有名な累一族の怨霊を鎮めた「かさね塚」があります。 ご利益のお目当ては正面の本堂左側の道を挟んである墓地にあります。 祐天上人の写経を収めた宝筺印塔。前にある石机の直径30センチほどの穴を幼児がくぐると百日咳やはしかから守ってもらうことが出来るという。お寺は災厄全般に効験ありと言っています。 |
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[咳・癪(しゃく)封じ]八雲氷川神社 八雲2-4-16 最寄駅 東急東横線 都立大学駅 |
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都立大学駅改札を左に出て、北口信号から目黒通りを左折。少し行き桜並木のある緑道を右折。住宅の中に現れる旧衾村の鎮守様です。 八岐大蛇退治を題材に、200年の歴史を持つ「剣の舞」が伝わっています。 癪とは近代以前の日本において原因のわからない疼痛を伴う内臓疾患を一括して言う俗称とのことで、平安時代には陰陽の気が内臓の一部に集積し、腹痛の症状を起こすものと書に記されているとのことです。 徳川家康も晩年「腹中の塊」(胃癌との説もある)に悩んだようです。 時代劇や落語では胸や腹あたりの激痛の総称として使われ、腹が立ち腹や胸が痛くなることが「癪に障る」(しゃくにさわる)と言われています。 説明板には「癪封じの神様と遠方からの参拝者が多く、宿泊所が設けられたそうです。 又、御神木のアカガシを削って煎じて飲むと咳や腹痛が治ると信じられ、皮をはぐ者が後を絶たず、アカガシは枯れてしまい、今は拝殿裏にその根が残されています」と記載されていました。 |
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「こぼれ話 お参り後姿」 神社に行って感心するのですが、女性が一人で朝・夕にお参りする姿によく出会います。比較的若い女性達が多いです。 何をお願いしているのかはわかりませんが、時間をかけてお参りしている後姿を見ていると「神様 彼女の願いを叶えてください!」と心の中で叫んでいる心優しい寅次郎です。この写真をじっと見て、同じ気持ちになればあなたも心優しい方です。 |
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[寄り道]酒味処 ぶら里 最寄駅 東急東横線 都立大学駅 |
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駅の改札を出て右側の小道に提灯が見えます。階段を上がるとカウンターとテーブルがあり20名位で満席のお店。休みは土休日です。 寅次郎の会社同期の友達の友達が夫婦でやり、ご主人の料理も美味しい居心地の良いお店です。 寅次郎の仲間達は会社卒業以来、日を定め、来られる人がぶらりと集まる「ぶら里会」を毎月開催しています。 |
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次回は三番目に健康ご利益が多い江東区を散歩します。 |
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平野 寅次郎 拝 | |