紀行

健康ご利益めぐり-6 江東区−1


平野 武宏

東京23区で健康ご利益が三番目に多いのは江東区でした。まずは大江戸線森下駅から門前仲町駅方面に向かうご利益めぐりのスタートです。
 最寄駅は代表例です。寄り道等の価格は訪問時のものです。

[江東区]
[皮膚病] 正木稲荷大明神 常盤1-2 
    最寄駅 大江戸線 森下駅

隅田川に面した松尾芭蕉ゆかりの地です。近くには芭蕉記念館や芭蕉庵跡地にある芭蕉稲荷(写真右)、芭蕉史跡展望庭園(写真左)があります。隅田川プロームナードの上側にありますので、川沿いを歩いて通り過ぎに注意!萬国橋まで行くと行きすぎです。


芭蕉稲荷の斜向かいに「おできの神様」の旗がありました。
江戸時代には腫物に効くと人気があったとのこと。お参りしてそばを断ち、全快するとそばを献ずる信仰だったそうです。
曲亭馬琴の妻が腫物平癒の願掛けに訪れたという記録も残っているとのことです。

正木稲荷の名は大きな「柾木(まさき)」があり、その葉が腫物に良いと言われたことによるそうです。

[病気平癒]霊巖寺 江戸六地蔵
 白河1-3-22 
 最寄駅 大江戸線 清澄白河駅

徳川将軍家の信頼が厚かった浄土宗高僧 雄誉霊願(おうよれいがん)が寛永元年(1624年)江戸 中島(現中央区湊1丁目)に建立、明暦の大火で現在地に移転の霊巖寺。寛政の改革の推進者松平定信(徳川吉宗の孫)の墓と病気平癒のご利益がある江戸六地蔵が鎮座しています。
清洲橋通りを挟んで「清澄庭園」があります。(寅さん歩 その6参照)


 
諸病平癒]宣明院 上行堂 上行菩薩(じょうぎょうぼさつ) 平野2-3
最寄駅 大江戸線 清澄白河駅

深川江戸資料館の先を右折、深川に「平野」の地名があると知りました。
深川に親戚はいません。
平野交差点の角に上行堂がありました。上行菩薩とは日蓮宗・法華経における四菩薩上行、無辺行、浄行、安立)で、釈迦如来が説法の際に大地が割れ、そこから出てきた無数の菩薩の筆頭とのこと。
法華経を末法悪世に広める使命を託され、あらゆる病苦から衆生を救うと信じられています。
お参りの際は、願掛けしながら菩薩像をタワシなどで洗い清めますが、自分が患っているのと同じところを洗うのがポイントとのこと。
宣明院は平成27年1月まで増築工事中でした。

[ガン封じ・ぼけ封じ・病気平癒・息災延命]法乗院 深川閻魔堂
 深川2-16 
最寄駅 大江戸線 門前仲町駅

清洲橋通りに真言宗の法乗院本堂左には寛永6年(1629年)に創建の通称「深川の閻魔堂」があり、日本最大のハイテク閻魔様が鎮座しています。
閻魔様の前のご利益別のお賽銭入れにお金を入れると、閻魔様が突然光り輝き、おごそかな音楽とお説教が述べられる仕組みです。
閻魔様もお堂内部もド派手な装飾で、昭和61年(1986年)の再建でハイテク閻魔になったそうです。
閻魔様のお説教の内容は現地でご自分の耳でお聞きください。


 [こぼれ話 深川閻魔様のご利益]

深川の閻魔様は我々の苦しみや悩みをお見通しで、前には19のご利益の金色のお賽銭入れが並んでいました。
各種のご利益をいただきたい人の懐を考えてか、ご利益毎の金額は指定していません。
前述の4つの健康ご利益の他は次の15のご利益です。
      

さあ〜 あなたはいくつのご利益をいただきますか?   
商売繁盛、当厄消除、交通安全、家内安全、縁結び、   
いじめ除け、祈願成就、浮気封じ、方位除け、学業増進、
怨敵退散、うそ封じ(虚言降伏)、合格成就、夫婦円満

 [足・腰]法乗院 曽我五郎の足跡石

法乗院本堂の右前に「鳥塚」の碑があり、その碑の前にありました。
曽我五郎が仇敵 工藤祐経を探して当地を訪れた際に残した足跡と伝えられ、この石に乗ると足腰が丈夫になり、子供を乗せると親孝行で健康な子に育つと言われています。
石の周りの雪は平成26年2月14日大雪の残雪です(2月20日撮影)

[病気平癒] 富岡八幡宮 富岡1-20-3 
最寄駅 大江戸線 門前仲町駅

江戸時代初期から続く「江戸最大の八幡様」写真下左が社殿です。
深川一帯の開拓に尽くした京の高僧 長盛上人が寛永元年(1624年)八幡大菩薩のお告げによりアシの生い茂みの中に白羽の矢を見つけ、この地に創建。お正月には「破魔矢」ではなく元祖「白羽の矢」が社務所に並ぶとのこと。
前は江戸の海で深川の漁師に厚く信仰され、水上輸送の要衝となり、賑わいました。
深川七福神の恵比寿神、江戸三大祭りに数えられる水かけ祭りの異名を持つ深川夏祭り、ダイヤ入り黄金神輿、江戸勧進相撲発祥の地で相撲関係の碑が有名です。
正面参道入口には晩年、深川に住み、この地で鍛えた歩測で全国を歩き日本地図を作製した「歩けの大先輩 伊能忠敬」(写真下右)がいて、寅次郎のお気に入りの場所で何度も訪れている神社です。
(寅さん歩 その3-2、その8-3(1)、その9-6参照)
今回は友人の病気平癒を祈願しました。

                     

[婦人病] 富岡八幡宮内 七渡(ななわたり)神社

富岡八幡宮正面参道から入り、社殿手前を途中から右折するとあります。
説明板には「八幡宮創建以前よりお祀りされ八幡様の地主神として「七渡弁天さま」と尊ばれてまいりました。
あわせてお祀りされる粟島神社女性の守り神とされます」と記載。
  

[寄り道] 深川宿 富岡八幡宮店(深川めし・深川丼)

やはり深川の寄り道はこれですね。
富岡八幡宮の正面参道を入って左側の伊能大先輩像の脇のお店。深川めしと深川丼が一緒に食べられる2,100円を奮発しました。個別メニューだと各1,890円。
江戸時代から漁師たちは捕れたてのアサリとあり合わせの野菜を味噌で煮、ご飯の上に汁ごとかけた物を日常食としていました。
これが「ぶっかけ飯」とも言われ、「深川めし」の始まりです。
「深川丼」はアサリ入りの炊き込みごはんとのこと。

写真 前列 左から深川丼(炊き込み)、
深川めし(ぶっかけ)、おわん 
後列はおかずと漬物
食後に出てきたデザート(くずきり)

次回も江東区のご利益めぐりの続きです。

平野 寅次郎 拝