紀行
(2) |
小塚 四寿 |
||
前月号で100kmウォークの一端をご紹介させていただきましたが、その中で多くの大会がお昼ごろスタートして、翌朝から翌午前中にゴールする時間設定になっていると書きました。 そんな100kmウォークの中で朝8時という異例の時間にスタートするのが、箱根駅伝復路110kmウォークという催しです。これは文字通り、正月の風物詩「東京箱根間往復大学駅伝競走」略して箱根駅伝といわれている大会のコースをなぞって、歩くという催しです。催しと書いているのは、これが100kmウォークの同好の士だけで行なわれている仲間内の行事なので、大会と書かないわけです。箱根駅伝をリスペクトしつつ、対抗心を燃やして歩こうという酔狂な行事です。ですから日にちは箱根駅伝が終了した翌週、まだ芦ノ湖の駅伝のスタートゲートが撤収される前に行い、時間も同じ時間にスタートするということで8時スタートにしています。 今年は、1月10日から12日にかけて行ないました。この催しの少しおかしいんじゃないかと思うのは、ただでさえ普通の100kmより10kmも余分に歩くのに、芦ノ湖朝8時スタートのために前日箱根入りする必要から三島から箱根まで歩くということです。なにも三島から箱根まで歩く必然性はありませんが、そこが100kmウォーカーのウォーカーホリックたる所以です。交通機関を利用するというのは許されないことのようです。三島から芦ノ湖までが約20kmですから、合計で130kmを歩くという贅沢な構成になっています。今年1月10日の箱根の西坂は途中から大雪が降り始め、前も見えないくらいの悪天候になってしまいましたが何とか、遭難者も出さずに到着しました。
まあそんな甘い気持ちも断ち切って、何とか日本橋にゴールしました。今年は午前4時52分到着。所要時間は約21時間です。強がりを言えばもうすこし早く歩くことはできます。しかし以前頑張って歩いて午前3時前にゴールしたときに、東京駅のシャッターが開くまで1時間以上打ち震えた経験から、無駄な早歩きは控えるようにしています。疲れないとは言いませんが、翌日の七福神巡りでスタッフの仕事をこなし、普通に歩いたのは我ながら立派であったと自分褒めをしてあげたいと思います。(完) |