湘南の歴史街道を行くシリーズの今年最後の「滝山街道」。戦国時代に鎌倉の玉縄城と八王子の滝山城(後の八王子城)を結ぶ街道だ。
青空の下、紅葉で色とりどりに染まった御殿辺公園に多くの参加者が集合した。
白旗神社の黄色い大イチョウの前を通り右折して、国道467号に沿ってスタート。みその台の坂を上らず、脇道にそれて一安心と思いきや、滝山街道は国道467号より急こう配。「最初から、こりゃ大変だ!昔の人は、こんな坂を登ったのか?」と皆さんぼやきながら歩き、また国道467号に出る。ここからは広い台地が続き、右手に「八洲台1の通」の看板が見えた。昔は、ゴルフ場や飛行場があり、関東八州が見渡せたそうだ。
立石2丁目の信号で二又に分かれ、右側の道に入る。我々はここを「旧街道」と称し、車で国道467号の裏道としていつも利用している道だ。これが、古くからの「滝山街道」だったとは思いもよらなかった。
「狭い道なのに車が多い。」との声も聞こえるが、皆さん一列歩行を守って街道を歩く。
両側は畑が続き、遠くには富士山も見えた。昔の宿場の亀井野に入ると、広い敷地の旧家が多く、先祖代々の土地を今も引き継いでいるのだろう、いずれも門構えが立派で、庭に鳥居や祠を祀っている家も多い。亀井野3丁目駅入り口の信号で、六会日大前駅へ行くショートコースと長後駅を目指すロングコースに分かれる。
ロングコースを更に進むと休憩場の雲昌寺の近くには、冠木門の家も見える。街道の道祖神も綺麗に残っており、亀井野の守り神として信仰され続けているのだろう。
湘南台7丁目の信号で、滝山街道の姿は消え、広い自動車道となり一列歩行から解放される。藤沢市総合市民図書館の前を通り、国道467号を横切って長後南歩行者専用道に入ると静かな住宅街。そして、長後駅近くの上谷戸第三公園でゴール。
悪天候でショートコースのみとなった「大山道」とコロナで中止になった「旧東海道」を来年再開して、このシリーズは完了する予定。昔の軍用や物資運搬から始まって、今も生活道路として活用されている街道が残っていることに改めて驚いた。街道は、場所と場所を繋ぐため作られたが、昔と今を結ぶ役割も果たしている。(田中
恭子)
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