朝からじりじり強烈な陽射しが照り付ける、このところ毎日うだるような真夏日が続く、今日も35℃に近い猛暑日になろうかと思われる暑さである。
暑い中を小田急秦野駅近くのおおがみ公園には早くからウォーカーが集まってきている。
今回例会の目的は「元横綱日馬富士の優勝額を見に行く」であるが、普段のウォークでは訪ねたことのない秦野市街地のあちこちに湧いている遊水地を巡りながら目的地の出雲大社相模分祠へ向かおうという企画である。
秦野市は周辺を丹沢山系の山に囲まれており多数の湧水がある。古くから住民の生活に利用されてきた。1985年(昭和60)には、秦野盆地湧水群が環境庁より「全国名水百選」に選定されている。
9:00、受付開始と同時に先頭集団に混じってレポーターの私も出発、小田急線のガードを潜って線路の反対側(北側)に出て最初の湧水に向かった。少し歩いたところに秦野湧水でも有名な「弘法の清水」がある。豊富な湧水が二つの流出口からどくどくと湧き出ている、地元の女性が沢山のポリタンクに次から次と注ぎ込んでいた。その昔、弘法大使が農家に立ち寄り庭に杖を突き立てると清水がこんこんと湧きだした伝説により「弘法の清水」と呼ばれるようになったいわれている。清水を守るように周りが低い切り石で囲まれ銅製の小屋根が掛けられ、立派な説明版が建って大切に維持管理されている。水温は年間を通して16℃、水量の日量は10トン前後であるらしい。
この後は再び小田急線を渡り返し南側に沢山ある湧水を歩くことになる。渋沢丘陵から続くゆるい上り斜面を遊水地を巡って一筆書きに歩くため、車道を横断したり狭い道を右に左に曲がりながら進むことになる。コース地図だけでは不安で、チョークを頼りに歩くが、見逃さないように路面を注視しながら歩いていると、右折チョークに気づかないで真っすぐ進むウォーカーが居り、大きな声掛けをして正規のコースに戻ってもらう場面もあった。
三つ目の「いまいずみほたる公園」は小さな森の様になっており木陰の散策路は涼しく気持ちよい、作業員の方が雑草の刈り込み作業?に汗を流し奇麗に整備してくれていた。
四つ目の「白笹稲荷神社の一貫田湧水」は広い境内では骨董市が開催されており、テントが沢山並び賑やかであった。そんななかで湧水が判らず社務所で尋ねると、駐車場への道脇の柵越しに見えると言う、いわれるように行ってみるとやっと下の方に確認できた。境内で迷っている複数のウォーカーにコースを聞かれ、正面大鳥居に出るように誘導した。
南公民館にも五つ目の「まいまいの泉」があり近所の人がペットボトルに何本も汲んでいた、いつも利用しているらしい。六つ目の「今泉あらい清水公園」は、名前の通り湧水が細長い公園を流れ散策できる様になっていた、気持ちよく歩かせてもらった。先へ進む、「杜の豆腐工房
三河屋」脇にある八つ目の「兵庫の泉」では自然石つくりの流水口から豊富な湧水が出ていた、丁度年配の男性が手洗いに来たので話しかけると、初代の和田兵庫さんから数えて21代目の、ここの湧水守りの和田さんであった。昔は水道が無くこの湧水を生活用水に使っていたこと、今は23代目の孫が湧水を守っていることなど話が止まらなかった。記念にご本人と湧水をセットで写真を撮らせてもらった。
いよいよ最後の十番目の「ゆずりの水」が湧く出雲大社相模分祠に到着、立派な本殿・拝殿に参拝。境内の一角にあって昼なお暗い「千年の杜」・「龍蛇神の杜」をめぐって、一番奥の「ゆずりの水」に手をかざし感触を味わった後、先にある御嶽神社の神楽殿に展示してある「元横綱日馬富士の優勝額」を拝見し神社を出た。ここからは、ひたすら交通量の多い車道を真っすぐゴールの駅に向かう。
埼玉県和光市から2時間もかけて参加されたという女性と道すがら話が弾み、あちこちのウォーキング例会に参加している元気な健脚者の様で、話に夢中になっているうちにゴールの秦野駅前「まほろばの泉」に到着した。時間は大分遅くなって11:45頃であった。
お疲れさまでした。
(阪本 茂義)
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