大船の湘南モノレール横広場にウォーカーが集まっている。春の彼岸は過ぎ、急に暖かい陽気になった。定刻より少し早めに受付を済ませ、それぞれ自由歩行でスタートしてゆく。常楽寺の交差点を過ぎ、住宅地に入り突き当たりのカーブミラーがある横の細い道に前を歩くウォーカーが入ってゆく。地図を見ると右前方に多聞院が有りその寺の駐車所脇になる。その山道を少し登るとそこは「高野の切通」である。さあ、ここから上りが続くぞ。両脇切り立った岩肌が物語っている。岩肌の断層と苔、樹木の根っこがはびこる、細い道を登りきると、六国見山に至る標識があった。石段を登り、緩い坂を登り切る。大船高校の上にでた。スタッフ誘導員が声を掛けてくれた。左手住宅の裏手から再び山道に入った。
薮の道から視界が効く上り坂、左手にもうすぐ色づくミツマタの木が数本植えてある。ゆっくりとゆっくりと、先が見渡せる山道をウォーカーの列が続いた。途中、夫婦桜の標識があったが、まだ花咲かずの桜木、六国見山の展望台に到着した。ここで通過チェックを受け、階段を上り展望台の上に出た。昔、ここから六国が望めていたようである。反対側の階段を下り、再び山道を行く、途中稚児の墓を横目で見ながら先へと進む。下り坂で木々の枝の隙間から民家の屋根が近くに見えてきた。急に開け舗装の道をぐんぐんと下る。下り階段、急な下り坂、両脇には住宅がある。普段の生活を心配してしまう。
下り坂は明月院まで続き、キブシ、ハクモクレン、ムラサキハナナ、紅梅、ツバキと春の花を見つけながら、巨福呂坂の長寿寺脇から亀ヶ谷坂切通に入る。緩い登坂である。右長寿寺の岩肌に茶色のシダがびっちり生えている。初夏になるとアジサイがきれいな切通し。坂を登り切り、下る坂の両脇にも岩肌が確認できる。坂を下り、突き当り右に八角堂(岩船地蔵)、歩は左へと向かう。横須賀線の踏切を渡り、寿福寺、八坂神社前を過ぎると、もうすぐ鎌倉駅に到着する。駅前の観光客でにぎわう中、スタッフが迎えてくれた。春の一時を心地良いウォーキングができました。
(写真・文: 藤井 誠)
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