随筆

 認知症とウォーキング


平野 武宏

 認知症の人の医療・介護でかかった2014年の社会的費用は約14兆5千億円に上る。65歳以上の認知症の人は2012年時点で463万人、厚労省の推計では10年後の2025年には700万人前後に増える(朝日新聞5月29日付)を読み、「いつか、老いて、誰もが通る道」と他人事のように思っていましたが、いささかショックです。

 脳の活性化のためには有酸素運動、「特に歩くことが認知症対策に良い」と医者は言います。歩き方も「背筋を伸ばし、いつもより歩幅を広くして歩く」ことが良いです。最近では「
歩くことは脳を活性化させますが、歩きながらもうひとつの脳を使うと、より効果がある」とも言っています。例えば「100から3を引く計算をしながら歩く」とふたつの脳が活性化されて良いそうです。但し、計算に気を取られ、周りを注意しないと危険ですがね。私も歩きながら良いアイディアや作成した文章の修正個所が浮かんで来たことがありました。

 最近、急速に認知症予備軍入りの自覚を感じている私、家で「ウォーキングは認知症に良い」と言うと、妻はその効果に首をかしげますが、「歩いているから、この程度で済んでいるのだ!」と反論しています。「誰もが通る道」を「いかに遅く通るか」の実現に向け、歩く仲間達と一緒に歩き続けましょう!