随筆


趣味は車からウォーキングへ

片山 忠夫

 小さいときから車と共に育ち、学生時代は自動車部に在って、学外の自動車クラブに入会、勤めたのは電機メーカーで、趣味として車とのつきあいが始まりました。

 競技運転者の資格を取りましたが、レースで走るのは親の大反対で断念、走らせる側の公認審判員資格を取得し、本業の傍ら毎週末レース場にいました。全日本選手権や世界選手権F1レースの委員長も行い、その間、国際レースでの判定を巡り大手自動車メーカーから訴えられたり、新聞や雑誌、記者会見がテレビで報道され、マスコミに追われたりしました。やがて、加齢に伴いスピードに判断が追いつかなくなり審判員を引退、現在は自動車連盟公認クラブの会長を務め、仕事は競技会開催や、審査員として競技進行の承認や罰則の決定、競技会が安全・公平に行われたか連盟への報告等です。

 審判員を辞して時間ができ、社員に都内山岳会の会長がいて、社内の山歩きの会に入り山登りの楽しさを教わり、毎年富士山頂に立つ等していましたが、退職後は高齢一人山歩きが周囲の反対を受け、間もなく平衡感覚麻痺を発症し山登りはできず、医師からはリハビリにウォーキングを薦められました。2011年11月に「広報ふじさわ」を見て参加したウォークメイトが入会のきっかけで、皆さんと一緒に、安全に歩けるのは魅力で、中でもウォークメイトは、参加人数も丁度よく、アットホーム的な感覚で一番気に入っている行事で、130景観歩証も頂きました。車では分からない藤沢の素晴らしい所、知らない所を隅から隅まで楽しく歩かせて頂き、フリーウォークでは、人はこのように遠くまで歩くことが出来るのだと自信を貰いました。

 趣味の行動は、車から登山に、そしてウォーキングへと年齢と共に新しい楽しみ方に変わらざるを得ないことを知り、間もなく70代最後の年、ウォーキングが出来なくなったら、次は何かと考えると、恐ろしいような気になります。お陰様で体調も回復し、健康維持の効果もあることから、これからもできる限り歩き続けたいと思っています。