紀行
| 大和田 精吾 |
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| ９月に九州を歩いてきました。６月の北海道縦断以来３ヶ月ぶりの遠出です。 ９月１０日(木)に新幹線で下関に着いて１１日(金)から歩き始めました。４月に関門トンネル人道入り口下関側迄歩いて来たので、ここからのスタートです。エレベーターで地下に降りて早速歩き始めました。時刻は８時を少し回っていました。私の前をウォーキングしている女性がいました。もの凄い速さです。私も負けじと追いつこうとしたのですが徐々に離されてしまいました。トンネルは８００ｍ程の距離でしたが何人かのウォーカーとすれ違いました。挨拶を交わす人、黙々と歩いている人、多種多様です。 門司側に着いて再びエレベーターで地上に出ました。海沿いを南下して門司港から左折し、国道２５号線に入りました。１５ｋｍ程歩いて国道１０号線に出ました。ここからは当日の宿泊地、築上町椎田駅手前のビジネスホテル迄ひたすら歩くことになります。 初日の距離は４７ｋｍ。２日目は豊後高田市迄４６ｋｍとここまでは順調に来ましたが３日目に両足にマメと靴ずれが出来、痛みを堪えながら歩きました。新しい靴を履いて来たせいです。油断大敵と過信を強く感じました。ですがホテルに着いてマメの水抜きをしたら楽になりました。 宇佐市では「歩中忍者１００ｋｍ ＷＡＬＫ」のシャツを着た一団に会いました。１０月に宇佐市から博多まで１００ｋｍウォークに出る為の予行演習とか、４０人程で歩くそうです。若いアメリカ人？の女性も２人来ていました。幹事らしき人と話したところ４５００人位参加する日本最大の１００ｋｍウォークとのことでした。その方も６０歳過ぎの男性で１５時間で歩くそうです。お互いエールを交換して別れました。またこの地は昭和の大横綱６９連勝双葉山の生地だそうです。別府、大分駅から津久見市を抜けて延岡市に入りました。ここから宮崎県です。日向市と高鍋町からは海岸線を見ながら歩きました。延々と続く太平洋の大きな波しぶきは見ごたえがあります。サーフィン好きの人には堪らない絶好のポイントでしょう。アカ海亀の産卵地でも有名とのことでした。 都城市に向かう途中、峠の頂上にライフル射撃場が有りました。入り口に丁度良い日陰があったので一休みしていたら、職員らしき方が話しかけてきました。御歳６１歳、１年半前に定年退職しここで働いているとの事。中に自動販売機とトイレが有るので使って下さいと親切に言ってくれました。人の優しさを感じることが出来ました。 １１日目にゴールの佐多岬に辿り着きましたが、灯台と小さな神社、それと入り口の自動販売機以外何も有りません。日本本土最南端の標識をバックに写真を取って貰いましたが、正直言って少し期待外れでした。最後の宿はホテル佐多岬。シルバーウィークだった為割高でしたが旅の終わりに少し贅沢感を味わうことが出来ました。 翌朝８時発の垂水港行きのバスに乗り帰路につきました。このバスを逃すと１４時までバスが無いのです。後日ホテル佐多岬の支配人兼社長さん（女性）から「日本最南端到達証明書」が自筆の手紙付きで送られてきました。 私が一人歩き旅から帰って来た時によく聞かれるのは①一人で寂しくない？②不安になったことは？③怖くは無い？④泊まるところは？⑤雨が降ったら？⑥お金はどの位かかる？⑦奥さんからの不満は？⑧道に迷ったことは？⑨一日何キロ位歩くの？⑩歩いていて楽しい？ざっとこんなところでしょうか 不思議なことに①寂しい②不安③怖い、と思ったことは一度も有りません。これは夜に歩かないようにしているからだと思います。日がある内に宿に着くようにしています。④の宿は前日迄に必ず予約が取れるまで探します。盛岡と札幌、鹿屋市では１５件以上電話をかけましたが取れず、電車やバスで先に行ったり戻ったりしたことがあります。⑤一日が勿体ないので大雨でも歩きます。昨年奥州街道の金田一温泉から十和田市まで５１ｋｍを歩いた時には、台風１８号が来ていましたが傘がお猪口になりながらも歩き続けました。今はそんな無謀なことはしませんが。⑥お金は宿泊代込みで１万円以内に押さえるようにしています。勿論昼飯と夜のビール代込みで、プラス行き帰りの交通費です。⑦妻からのクレーム、不満は一切有りません。かえって居ない方がのんびりして良いみたいです。ただ毎日のメールでの報告は欠かしません。⑧スマホのGPSが有るので迷ったことは有りません。逆にこれが無いと歩けないと思います。⑨山陽道からは一日４０ｋｍ～５０ｋｍを目標にしました。最高は青森～三厩の先の竜飛旅館迄６０ｋｍ、最低は草津～京都三条大橋迄２２ｋｍです。⑩８割以上はキツイです。その日の予定地目指してひたすら歩くのみですが、ゴールした時の達成感は最高です。 ９月１１日～２１日まで４５０ｋｍ１１日間の九州縦断一人歩き旅でした。平成２５年１０月６日からスタートした日本縦断一人歩き旅ですが、今回の歩き旅で北海道宗谷岬から約３,０００ｋｍ、延日数７６日間「東海道１５日間、奥州街道２２日間（日光街道３日含む）山陽道１４日間（西国街道２日含む）北海道１４日間、九州１１日間」。日本本土を繋げる事が出来ました。来年は最終地沖縄を歩く予定です。(完) 九州縦断一人歩き旅 写真集
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