惜別

猪股昭紀さんを偲ぶ


長津 豊
 
猪股昭紀さん
 猪股昭紀さんの訃報を耳にした時には、にわかには信じ難い思いでした。数年前の賀状に「いよいよ筆を執るのが困難になり、本年を最後に新年の挨拶は欠礼いたします」との追記がありましたがさほど深刻とは思っていませんでした。難病を患っておられた事は聞いていましたが、有効な治療法が未だに開発されていないとは承知をしていたもののこんなにも早く悪化してしまうとは予想できないことでした。

 思えば20年以上前、藤沢市歩け歩け協会の代表小宮さん(故人)からスタッフへの協力要請をうけてから共に活動をして以来、長いおつき合いをさせていただきました。ある例会の昼食後、猪股さん、平野さんそして小生の3人が突然の協力要請をうけ戸惑いました。当時は3人とも現役のサラリーマンだったので、土日の月1回のお手伝いならば出来そうとの思いからお受けし、いわば同期でありました。1998年の「神奈川ゆめ国体」の競技会場めぐりを始めとして国内各地の大会にご一緒させていただいた楽しいことが思い起こされます。

 今でこそ、多くの会員の方々がJMLに参加し各地のウォーカーとの交流をしていますが、FWAにおいては最初に猪股さんが全国の大会に参加して先鞭の道を開いてくれました。海外参加も然りであります。東松山の日本スリーデーマーチで50キロを3日間颯爽と歩いておられた姿が今でも脳裏に刻まれています。歩く速度が速く、長距離がウォーキングスタイルの全盛の時期、神奈川を代表する長距離ウォーカーとして全国にその名を轟かせた猪股さんでした。

 しかし残念ながら難病には勝つことができませんでした。安らかにお眠りいただき、黄泉の国にてウォークを楽しんでください。  合掌