随筆
廣瀬 敏明 |
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10年ほど前、私は町内に住むKさんからウォーキングを楽しんでいると聞かされ話がはずみ、その内参加すると約束してしまった。Kさんの会は町内に住む30名ほどで構成されていた。代表は男性の担当であるが、その男性が3名しかいない。奥さんが倒れて介護、市外に移転などが続き、男性は私とKさんの2人だけになってしまった。そのKさんが肺がんで急にこの世を去ってしまった。私は女性陣に囲まれてハーレム状態となり代表にならざるを得なくなってしまった。 この会のAチームは毎週金曜日の午後に例会を行っている。ただし夏、冬に大型休日がある。3年ほど経った頃Bチームが誕生、私の計画ノートを見て金曜日の午前中は空いているわねと代表を押しつけられ、大型連休はない代わりに毎週をやめて第一と第三に例会を行うと宣告を受けてしまった。 会は先輩が立ち上げたもので、その先輩に対して会が衰退したのでは申し訳ないと、会員の若返りを志したのであるが世話役さん達の猛反対を受けてしまった。彼女たちは新人によって歩行距離を延ばされ、速度を上げると自分たちがはじき出されて、居場所を失うことを懸念したのである。6、7kmしか歩けない高齢者を歩かせて 私はあまり歩けなくなった会員と共に年を重ねたいと考えている。疎ましいと思っていた会が今では貴重な宝物である。 |