藤沢宿をあるく(10) |
||||
関次商店と本町消防署の間を入ると浄土宗常光寺がある。正式名は八王子山無量院常光寺、創立は元亀3年(1572)、本尊は阿弥陀如来、開山は明蓮社光誉、享保年間(1716〜36)に中興再建され、さらに元文4年(1739)火災に遭い、宝暦12年(1762)になって再興されている。 山門の前にこの寺の庫裏にら卒屯所(巡査の旧称)、藤沢警察署発祥の地があったことを示す石碑が建っている。 山門を入ると左脇に六地蔵、そして市指定文化財の庚申供養塔が2基ある。そして境内には県指定の天然記念物のカヤの木がある。高さ25m、胸高周囲5m、樹齢約300年(推定)、かながわ名木100選にも選定されている。約8千平米の寺林は市の天然記念物に指定され八王子山と呼ばれ、「弁慶塚」と刻まれた祠がある。
また境内には彫刻家イサム・ノグチによって建てられた父、野口米次郎辞世碑がある。その業績は案内板によると「明治8年愛知県生まれ、23年単身渡米、新聞記者となり、のち英国に渡る。詩集を出版するなど両国の詩壇で活躍し、明治37年(1904)日露戦争の報道のため帰国。兄が住職を勤める常光寺や鎌倉円覚寺に住んだ。慶応大学で教鞭をとり、世界各地で日本文芸について講演、また広信・春信などの浮世絵や正倉院宝物について英文出版、さらに日本で最初の英文案内書「Kamakura」を出版、日本文化・文芸を世界に紹介、ヨネ・ノグチの名で知られている。1947年疎開先の茨城県で72歳で没した」とある。 息子のイサム・ノグチは彫刻家・画家で女優の山口淑子と結婚したが、その後山口は外交官と再婚し国会議員として活躍し2014年、94歳で亡くなった。 参考文献:藤沢 わがまちのあゆみ 小玉幸多編 藤沢市文書館 藤沢史跡めぐり 藤沢文庫刊行会 Wikipedia |