健康づくり そして歴史に触れる

吉田 厚治
 市の藤沢公民館の依頼によるウォーキング講座を講師としてウォーキング協会が実施しました。テーマは「源義経公のゆかりの地を歩く」です。先ずFプレイスをスタートし、義経の首が流れてきたという境川をたどり、白旗廻り第三公園に立ち寄りました。ここには市の健康づくり課がからだを動かす健康遊具を設置しており、身近な場所で健康づくりを目指すことができるようになっています。

 その後、御殿辺公園を抜け白旗神社に行きました。ここでは神職の方のお話があり、神社の創建は不明とのことですが寒川神社としてスタートし、義経の首が奥州から鎌倉の腰越へ送られ首実検された後に境川をさかのぼり白旗川にたどりつき、その首を地元住民が洗い清めた後に神社に源義経を合わせ祀ったとのことです。令和元年には、源義経・弁慶主従の銅像が落成しました。時期が丁度ふじの花でしたので弁慶藤(うすい紫)と少し早かったですが義経藤(白色)を観賞しました。新しい発見でしたが弁慶藤の藤棚近くに芭蕉の句碑『草臥亭(くたびれて)宿かる此や藤の花』(文化2年銘/1805年)がたてられていました。次に訪れたのは、伝義経首洗い井戸です。

 先ほどの神職のお話しから地元の住民がこの井戸で義経の首を洗い清めたことに思いを馳せ、首は金の亀に乗って流れたという説が残っていることにロマンを感じました。次は荘厳寺です。藤沢宿の中でも古い寺の一つですが、加藤住職に説明をしていただきました。当初は白旗神社の別当でしたが、明治8年(1875年)の神仏分離によって移転をし再建されたとのことです。荘厳寺では何と言っても義経公の位牌ですが住職の紹介で前面には「白旗大明神」、裏面には「天保3年法印宥全調之」と書かれていることを拝見しました。

 次は弁慶塚です。常光寺の裏山に位置していて、主君義経公を祀る白旗神社に向きあうように塚があり、おおいのある小屋で大切に保存されています。塚の近くにある古木では、原因は不明ですが人が中に入れる位の空洞になっていますが、上部は幹も枝もしっかりと成長しており自然の雄大さに驚かされます。最後の場所は1572年に建立された常光寺です。訪れた日に歴史漫画・挿絵画家の佐野絵里子さんの「季節の花と童子展」を住職のご配慮で鑑賞することができました。佐野画家は、白旗神社大絵馬や藤沢宿交流館の絵を手がけているそうです。常光寺にはパワースポットがあります。高さ25m、樹齢300年以上にもなるカヤの木で県の「かながわ名木100選」になっています。カヤの木を見上げることでパワーをいただき、歴史に触れ健康づくりを実践したウォーキングに幕を閉じました。


源義経・弁慶主従の銅像  田辺 保夫