千島桜が 植樹10年目に開花

八幡 三郎..
 引地川親水公園に千島桜を植樹して10年目の今年初めて花が咲きました。この桜は北海道根室市から藤沢市に寄贈され、2012年11月に植樹したものです。

 私が東京根室会を代表して北方領土(国後島、択捉島)にビザなし渡航した折、根室市長を表敬訪問した時の会話がきっかけでした。千島桜を個人的に貰っても、植える場所も決まっておらず、思案していました。そこで当時の竹村裕幸 鵠沼市民センター長に相談しました。竹村さんは私の話を好意的に聞いていただき、その後植樹に大変ご尽力を賜りました。竹村さんが藤沢市の企画政策部長に就任されてからも積極的に推進して頂き、引地川親水公園に植樹することが実現しました。

 植樹式は2012年(平成24年)11月18日に引地川親水公園で行われました。植樹式には鈴木恒夫 藤沢市長と長谷川俊輔 根室市長(当時)をはじめ市の関係者、県会議員、市会議員、育桜会、鵠沼のみどりと景観を守る会、東京根室会等多数の関係者が参加しました。

 私は毎年桜の開花時期に、毎週引地川親水公園に通い観察してきました。今年こそ開花しないかと、9年間過ごしました。寒冷地の千島桜は温暖な湘南地方では開花しないのではと危惧していました。しかし今年4月7日に観察に行くと、植樹した3本の内1本に1輪だけ咲いていました。私は大変感動しました。そして来年はもっと多くの花が咲くことを期待しています。

千島桜、根室と私
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千島桜は北方領土の国後島、択捉島が原産地で、北海道では根室から知床半島にかけてのオホーツク海沿岸に咲いています。社寺、公共施設(市役所、裁判所等)などに大木が植えられています。根室振興局(北海道庁の出先機関)管内の別海町の小学校には樹齢100年高さ6m直径15mの日本一の桜の大木があります。また千島桜は日本で最後に開花する桜です。

千島桜は神奈川県では箱根仙石原の箱根湿生花園に植えられており、湿生花園職員の方の話では大変きれいに咲くとのこと。4月20日前後が開花期です。

千島桜は北方領土返還運動のシンボルの花です。

東京根室会は根室市出身者で東京及び近県在住者、根室ゆかりの者、根室を好きな一般の方の親睦団体です。

私と根室市の関係は、私の祖父(現黒部市で文久3年生まれ)、父(根室市で明治26年生まれ)が根室、国後島、歯舞島で缶詰工場、回漕業(北前船)、水産加工業など手広く商売を行っていました。その縁で現在でも根室市の行事などに参加しています。

北方領土(国後(くなしり)島(とう)、択捉(えとろふ)島(とう)、歯舞(はぼまい)群島(ぐんとう))の面積は神奈川県の2倍強あります。昨今の状況下でビザなし交流、墓参など、ロシア島民との交流事業が止まり、今後の再開が危惧されます。

 
 
開花した引地川の千島桜    別海町(根室管内)の日本最大千島桜