紀行

「塩の道」へのいざない

  小島 則之

 
5/3 小谷村コース・「歩荷に扮し」仮装した地元の皆さん。

 北アルプスに雪形が出現する5月、信州小谷村〜白馬村〜大町市で、かつて上杉謙信が宿敵・武田信玄に塩を送ったとされる古道「千国街道・通称塩の道」歩きのイベントがあります。毎年恒例のイベントもコロナ禍の影響で一昨年、昨年と中止となり、昔からの山仲間と前から出掛けていた私の初夏の行事も消え忸怩たる思いでした。

 今年は3年ぶりに規模を縮小し3密回避や一部定員制にする等のコロナ対策をして開催されました。私も以前のように一日約10qの道を3日間歩く事は無理と考え仲間と調整していましたが、「あずさ」での往復、密な歩き、更に宿泊等の問題があって、コロナ感染の多い首都圏からはまだ行かない方がいいのではという仲間の結論で今年も参加を見送りました。しかしひそかに自分だけはという下心があり、白馬村は事前申込み200名限定の定員制でしたので応募しましたが、残念ながら既に定員に達していて結果的に仲間を裏切らずに安堵しました。

 街道沿いの3日間はそれぞれ地元の方の道中の「振舞い」や色々な歓迎等の宴出もあって地元の一大イベントとなっています。3日の小谷村は例年約3500人以上が訪れ春の農村風景を満喫し、古道沿いの集落や「牛方宿」を巡り、道中参加者の為の「振舞い」や太鼓、民謡保存会等の宴出があります。また4日は「道祖神」の多い白馬村で毎年2500人以上が訪れます。里山の風景、北アルプスの残雪を眺めながら姫川源流の水芭蕉、貞麟寺の樹齢500年超のイトサクラ、カタクリの群生等が参加者を和ませてくれます。さらに5日は立山、黒部の玄関口である大町市に移り、仁科三湖と山麓の2コースを各々100人超の参加者が、見頃を迎える湖畔の桜や菜の花畑、国宝仁科神明宮、文化史跡等を巡り、北アルプスを横目にゴールの江戸時代の庄屋の館「塩の道ちょうじや」を目指して歩きます。

 FWAウオーク同様 日頃の雑念を払い面識のない人同士、言葉を交しながら歩を進めてみては如何でしょうか。きっと何か得るものがあると信じています。

 
思い思いの参加者の皆さん。    「塩俵」を積んだ牛方が宿泊した牛方宿。 

 
千国・諏訪神社の保存会の宴出。 前山百体観音。

 
同前。この前を「塩の道」が通っています。 5/3 ほんわか雰囲気。祖母とお孫さん(?)かな
フォトコンテストに応募して落選しました

 
小谷村山中の
(?)の後姿です。
春爛漫の山吹と私です。