辻堂青少年会館「地球冷却微生物を探せ」をサポート!

  川澄 武雄

   8月11日 江の島にトンボロ現象が見られた。この日に合わせ辻堂青少年会館が「トンボロウォーク」を企画。歩くだけでなく同時に市民科学プロジェクトの「地球冷却微生物を探せ」(内閣府主導)に応募した。藤沢市内の親子15組、30人ほどが10時30分に小田急・片瀬江ノ島駅に集合。今回の指導には東北大学の加藤広海先生があたられた。FWAからも3人のスタッフ(露木・岡村・川澄)がウォーキングをサポートした。

 「地球冷却微生物を探せ」 何だか難しいテーマである。
地球温暖化による気候変動は、私たちの生活に大きな影響を与えている。世界中で干ばつの増加や洪水が多発し、台風が大型化している。こうした気候変動の結果として、生活基盤の破壊や食糧問題が発生する。気候変動を止めるためには、空気中に含まれる二酸化炭素(CO
2)、メタン (CH4)、一酸化二窒素(N2O)といった温室効果ガスを減らす必要がある。なかでもCO2の約300倍の温室効果ガスをもたらすといわれる土中のN2Oを消去する微生物を探すために、全国の土を調べるというのがこのプロジェクトの目的である。
 https://dsoil.jp/soil-in-a-bottle/

 湘南片瀬海岸は夏本番を迎えて、海水浴客やサーファーで大賑わい。3年ぶりに行動制限もなく、若者や家族連れの歓声があふれている。その中を進む私たちは異色の研究団体だ!
土の採取が始まる。トンボロは海底の土中にいる微生物を探す、絶好のチャンスであった。採取は片瀬東浜で1か所、トンボロの砂州3か所で行われた。子供たちはキットを与えられ、土をスコップでていねいに採取し、ガラス製の培養瓶にいれてゴム栓で密閉した。その後ハシゴで江の島北緑地に上がると、加藤先生がシャーレに土の一部をとりわけ、30分経過後の土の状態を、スマホにつけた携帯顕微鏡で見せてくれた。また子供たちは培養土から気体を抜く作業などを続けて所定のデータを作成した。
(この実験方法の流れやプロジェクトの概要については、上段につけたURLを参照)
 
 12時半ごろに一連の実験・観察が終わり、加藤先生から講評や今後の進め方について説明があり、この日の活動は終了した。参加した子供たちも楽しい実験に参加できて嬉しそうだった。(この調査結果は8月29日に東北大学と辻堂青少年会館の間でズーム報告が予定されている。)
 私は3時間後の経時変化調査も知りたくて午後までヨットハーバーの一角で過ごした。
加藤先生からプロジェクト関連などいろいろ話を聞いた。茅ヶ崎の人で、帰省中らしかった。学生時代はサッカー選手だったらしい。体格のがっちりとした好漢である。
 数日後NHK・ETV「サイエンスZERO」で、[海洋の酸性化]が放送された。大気中のCO
2が海洋の酸性化につながり、現状のままでは2100年には、魚種の30%が絶滅し、漁業にも大きく影響する事を知った。アマモやマングローブがCO2の吸収に有効らしいが、元々のCO2の発生量が多いので、やはり人間の生活行動を変えるしか無いようである。

片瀬東浜海岸

砂州で土採取@ 砂州で土採取A

加藤先生と子供たち 砂州を移動

砂州で土採取B ハシゴで江の島上陸

トンボロ終了 寄せ合う波風景