紀行

  一人ぼっちの鮎釣り

  小島 則之
 
 私には年初めにいつも漠然と思う事があります。それは人生終盤近くになり年々想いが強くなる事ですが、何となく1年の自分の遊びのスケジュ−ルが頭の中で駆け巡る事です。ただ大の飛行機嫌いのため体が陸地から離れる事が考えられないので国外は御法度なのです。

 野球、ゴルフは卒業しましたが、例年1~3月頃はスキ−に、4~5月は山の雪解けを見計らっての渓流釣りと「塩の道」歩き、6~10月頃は20歳代からの鮎釣りとその合間の数回の山歩きに、そして11〜12月は出来れば今迄行けなかった所とか、以前行ってもう一度行きたい所への旅に出る事です。

 この様に毎年考えるのですが結局の所実現したことは殆どなく、年齢を重ねるにつれて同行してくれる人も一人二人と欠けてきていつも夢だけのジリ貧になります。昨年もスキ−に1回、渓流釣り、「塩の道」歩きはなく、鮎釣りは2回のみでした。今年は例年通り今年こそと思っていたのですが、1〜3月は珍しく現場が忙しく、4〜5月は3年に1度の建築士事務所存続の講習試験の準備やその他の事で出かけられず、6月には同上試験や義兄の不幸等もあって出られずにいる有様です。その中でFWAウオーキング参加が現在の唯一の楽しみになっています。

 
5年位前に行った郡上・和良川
 そんな中で鮎釣りも天候が落着いたら今年こそと思ってはいますがコロナ禍もあり同行者も少なくなってどうなる事やらと思っています。というのも私の鮎釣りは皆さん御存知の友釣り仕掛けで行っていますので、現場でのままある仕掛けのトラブルや囮鮎の交換等に対処する必要がありますので数年前に片目が少し不自由になったせいで同行者の人がいないと対処に時間がかかってしまいます。ただ川に行ってしまえばコロナ禍の折、余り人に接する事がありませんので楽しんでいてこれ以上のコロナ対策はないのではと思います。友釣りは鮎の縄張りの習性を利用して囮鮎を付けてその囮を鮎の縄張りの中に入れてこの囮を追う鮎を掛けるという独特の釣りで掛った時のあの“ガツン”といった感触がたまらず、すっかり虜になっている訳です。

日本一奇麗な(らしいです)和良鮎
 川の中では一人ぼっちの鮎釣りですが一旦川の中に入ってしまうと時間も忘れて無我の境地で1日が終わります。私は性格上、収穫があろうとなかろうと無頓着なほうですが、家で待っている方は夕食の膳のメニュ−に関わるとあって釣果が乏しい日はやはり不満気で一声皮肉混じりのコメントが返ってきます。この様に考えると結構私も勝手気ままな人生を過ごしているな〜と思います。この年齢でこの様な日常を送れるのは家族の理解(?)もありますが今迄私に関わってくださった多くの人の御理解があればこそと考えます。人は一人では生きられないと言いますがこの様な環境で過ごせる事に日々感謝の気持ちを持って過ごせたらと考えます。

 FWAウオーキングにしても参加する度に運営に携わっている方々に感謝の気持ちを持って参加させて頂いております。いつも暑い日や寒い日、雨の日の役員の皆様の御配慮を有難く思っております。