随筆
石田 幸子 |
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「あーなつかしいー」。FWAのバスウォークの日程の中に鳳来寺山の名を目にし、山での三度の出来事が思い出され心躍りました。 一度目、10代の頃、部活の仲間と賑やかに登った事です。土産物店が軒を連ね、観光客や登山者で賑わっていました。鳳来寺本堂にタヌキのような大きな白い猫が昼寝をしていてびっくりしました。 二度目、20代の頃、職場の女性数人と登った事です。先輩が河原でカレーライスを調理してくれて楽しいひとときを過ごしました。夕暮れ近く下山途中、二匹の猿が木から木へと飛びながらついて来るのにびくつき、大声で歌いながらの急ぎ足となりました。 三度目、60代の頃、旅の最終日に一日余裕が出来、久しぶりの山歩きをと夫婦で登った事です。湯谷駅からの道を辿り表参道へ下りました。途中出会った地元の人に今時こんな古道を歩く人は珍しいと言われ、さらに立ち寄った茶店の人にも今はバスの運行は秋の土日だけと言われ「え〜」。時は初夏の平日。思わぬハプニングでしたが若さにまかせ麓まで歩いた事を懐かしく思い出しました。 (昔のことなので断片的な記憶です) 後記 今回拙文を記しながら改めて感じたのは、歩ける事はとても楽しく、有難く、大切な行動だと言うことです。健康維持や老化防止に効果があるのは周知されていますが、季節や自然を味わいつつ歩く心地よさは精神的にとても豊かになる気がします。 若い頃と同じは無理でも、これからも歩きたい、歩いていたい。この気持ちを持ち続けるにはどう努力すればよいか今一度考えたいと思います。 |