各駅停車ウォークA 湘南モノレ−ル編(その2)

  小島 則之
 
 前回紹介しました西鎌倉「青蓮寺」から続く旧跡紹介です。

 ロングコ−スの大船駅西口を出て藤沢方面に進むと、鎌倉岡本郵便局手前の戸部会館前に六体の地蔵尊を祀るもうひとつの旧跡「玉縄首塚」があります。戦国時代の1526年11月、北条氏支配の三浦半島支配を目論み、海上から軍船数百で鎌倉を攻めた安房の里見実尭(一説には里見義弘)が玉縄城主の北条氏時(早雲の孫)そして配下の大船の甘糟氏、渡内の福原氏らと柏尾川(戸部川)の附近で激しい戦闘となり、両軍共に多くの戦
 戸部会館前「玉縄首塚」
死者を出して特に里見軍は数え切れないほどの戦死者を出し壊滅的な被害を受け敗走、撤退を余儀なくされた。また北条氏側も甘糟氏らの諸将らをはじめとする30数名が安房の里見軍に首を取られた後、互いに打ち取った首を交換し、氏時がこの地に葬り塚を築いたとされる。塚も「甘糟塚」と呼ばれていたが、後年「玉縄首塚」と呼ばれるようになり、更に村人はここに今は枯れて銀杏と椎の木に変わっているが、榎を植えたとされて「甘糟榎」と呼ばれていたそうです。この時の戦で里見軍が鎌倉を攻略せんとして北条氏側と市中で激戦が繰り広げられ、ついには「鶴岡八幡宮」も炎上したという説(どちら側が火を放ったか不明らしい)が有力のようです。
毎年8月に玉縄首塚まつりが行われていて、首塚のシンボルである五輪塔の他に、六地蔵や馬頭観音も併設されて市街地の中にあります。無念を媒介にするあの世とのコンタクトゾーンには霊的なシンボルが集合するという好例だそうです。

 この付近には「玉縄首塚」の他に「玉縄城址」「塩釜神社」「神明神社」「岡本神社」「玉泉寺」「龍宝寺」「諏訪神社」「大船観音像」「黙仙寺」等、それぞれの歴史に彩られた秘めた旧跡があるようですので時間があるようでしたら約2時間程で散策が出
 
 市道藤沢・村岡線と東海道線
来るそうですので如何かと思います。
ウォーキングで各所を巡りいろいろ見ることは新しい発見、知識の導入、再確認等にもなる事ですので皆様にも時間が許されるようでしたら是非散策される事をお勧めしたいと思います。そんな訳で11月22日は私にとって天候にも恵まれて奥田公園〜モノレール高架下〜大船〜奥田公園の本当に有意義な各駅停車ウォークA 湘南モノレ−ル編の爽やかウォークの一日でした。スタッフの方に感謝。