幸せは歩いて来ない            一歩の経済的効果 

 

八柳 修之

 だから歩いて行くんだよ。一日一歩、三日で三歩。三歩進んで二歩下がる。・・・(歌:水前寺清子、作詞:星野哲郎、作曲:米山正夫) 作詞、作曲、歌、三拍子揃ってよい歌です。

 歩くことは健康によいことはつとに知られている。ウォーキングを行うことで、自分の健康のみならず医療費をどれだけ減らせるか。という興味ある報告が2018年5月、厚労省研究班によってなされていた。生活習慣病の予防を目的に「一歩の価値」を試算。一歩の健康効果は0.0014円と試算した。

 一日5,000歩、歩くとして7円 (0.0014 円×5,000歩)、一週間で49円。年間300日歩けば2,100円にもなる。一日 5,000歩。人それぞれに歩幅が違うから歩く距離も違う。歩幅は身長や年齢によって違ってくる。一般的に運動としてのウォーキングの歩幅は身長×0.45とされるが、年齢を重ねると歩幅は狭くなり、70代の男性で54~58㎝、女性47~49㎝とされる。(Wikipedia)。一度、ご自分の歩幅を測って見てください。道路の側溝(U字溝)の長さは60㎝。10個で6mの目安、第1回全日本歩測大会で歩測の達人に認定された福井正彦さんのお話です。

 ご存知、「4000万歩の男」と言われる伊能忠敬は50歳で隠居、江戸に出て天文学、測量を学び、55歳から72歳まで日本全国を歩き測量し大日本沿海地図を完成したが、身長160㎝、歩幅69㎝と推定されている。0.69×4,000万歩=27,600㎞。ちなみに日本の国土海岸線総距離は29,753㎞である。

 次に例会参加による経済効果を推定してみたい。70歳代のあなたが参加したとする。足には自信がある男性ならば歩幅58㎝、女性ならば歩幅49㎝、距離は10㎞とすると、男性の歩数は17,241歩(10,000÷0.58)、医療費削減効果17,241×0.0014円=24.13円。女性の歩数は20,408歩(10,000÷0.49)、医療費削減効果20,408×0.0014円=28.57円になる。例会に男女各100名参加したとすれば、男性24.13円×100=2,413円、女性28.57円×100=2,857円、計5,270円もの医療費削減効果がある。

 FWAは2022年、3回のKWA委託例会等(参加者917名)を含め計36回の例会を開催し総計6,940名の参加者があった。参加者の男女別比は半数、距離は平均10㎞とすると、男性24.13円×3,470=83,731円、女性28.57円×3,470=70,568円、計約154,300円もの医療費削減効果があったことになる。例会に参加することはご自分の健康のみならず、藤沢市ほか参加者市町村の財政にも寄与したことになります。イヤーラウンドや個人で歩いている散歩などを含め、この分、減税してくれるといいですね。・・・あなたのつけた足あとにゃ、きれいな花が咲くでしょう。・・・千里の道も一歩から・・ワン・ツー ワン・ツー 腕を振ってあるけ・・