紀行

インドネシアを歩く(6)

プランバナン寺院

 平成26年6月25日 池内淑皓

 3月8日(火)滞在8日目、ボロブドール遺跡探訪を充分堪能して遺跡を後にした。帰路もタクシーを呼んで、近くにある「パオン寺院」、「ムンドウ寺院」、「プランバナン寺院群」の遺跡群を巡りながらジョグジャに戻った。


 「パオン寺院」、「ムンドウ寺院」地図 ボロブドール遺跡の近くにある


 「プランバナン遺跡群地図」 ボロブドール遺跡から車で30分位の所にある落ち着いた寺院群。


 「パオン寺院」 ボロブドールの近くにある、内部に安置されている石仏三尊像はジャワ美術の最高傑作のひとつとされる、基壇にはボロブドールと同じように寓話の数々が彫刻されている、壁の彫刻が見事


 「ムンドウ寺院」 ジャワの小さな宝石と言う愛称を持つ、1903年崩壊寸前の建物をオランダが修復させた


 「プランバナン遺跡群」9世紀頃のジャワ中部は仏教文化とヒンズー文化の接点に位置していた、ボロブドールが仏教建築であれば、ここプランバナン遺跡群はヒンズー文化の核心地であろうか。
 中央のロロ・ジョグラン寺院は周囲に数々のペルワラ(小祠堂)とストーパー(尖塔)群に囲まれて独特な寺院群を形成している。


 いずれも「とうもろこし」のような尖塔は、カンボジャのアンコール様式に良く似ている、
 アンコールワットは9〜12世紀にかけて栄えたクメール王朝の華で、この王朝はインドシナ半島の大部分とマレー半島の一部までも領土とした大帝国であった、その影響を受け始めていたのだろうか。 


 「ロロ・ジョグラン寺院」 856年に建てられたと云う。プランバナン寺院群の中心的寺院で、高さ47mの精巧な彫刻に飾られた「シバ神殿」である、ヒンズー教寺院としては東南アジア最大規模の大きさで、外壁にはボロブドールと同じように古代インド抒情詩である「ラーマヤナ」の物語が彫刻されている。


 ロロ・ジョグラン寺院の前にて、遺跡ガイド見習いのムルヤニさん。
 ムルヤニさんは「ソロ」(ジョグジャの隣町)の人で大学生、懇切丁寧に寺院の神獣について説明してくれたが、私には良く理解出来なかった


 1966年畑を耕していた農夫が振るう鍬の先が遺跡を掘り当てた、発掘を始めて仰天、壮大な遺跡群が姿 を現したのだ。
 ヒンズー教3大神のブラフマー神は宇宙の創造を、ビシュヌ神は維持を、シバ神は破壊を司り、それぞれの乗り物、白馬、ガルーダ、牛を祀る聖堂がずらりと並んでいた、イタリアのポンペイ遺跡のように、ムラピ山の噴火で20世紀まで眠っていた?(写真は堂内のガネーシア像) 


 プランバナン遺跡群全体を古代インド人が夢見た「須弥山」」が、宇宙を体現する寺院群にみたてたのであろうか     *須弥山(世界の中心にあるという高さ56万kmの山)


 堂の周りには緻密な獅子や「半人半鳥」の神などの石像が、きめ細かく彫られている


 ジョグジャに戻るとすぐ身の回りを世話してくれる「スハルジョ」君が、暑いお茶を入れてくれる。
 彼を誘って遅めの昼食を食べに出かけた、 近所のレストランで「ミーバッソー」を食べる。”ミーバッソー”はラーメンの中に肉や魚のすり身を団子にした、丁度日本の「つみれ」状の団子が5〜6個入り、トッピングにパリパリ煎餅が乗った汁物で、味は自分で調整する。美味

インドネシアを歩(7)に続く