紀行

インドネシアを歩く(11)

バリ・ウブド

 平成26年7月7日 池内淑皓

 3月16日(水)滞在16日目、久し振りにフカフカのベッドで目が覚める、窓を開けると熱帯植物が目に飛び込んでくる、車の喧騒は全くない、リゾートとはこんな所か。朝食もしゃれていて、プールサイドのテーブルにバリの乙女が頭に食事を載せてうやうやしく運んで来る。我が家の大蔵大臣が来るとこんなにも違うのかとびっくりする。朝食の後、早速ウブドの周辺を散策してみよう。

   
 「バリ島全体図」 
 神々の島と称えられるバリ、面積は東京都の2.6倍で人口は320万人、州都はデンパサール、島の東部にある「アグン山(3142m)が最高峰で、今なお火を噴く活火山。バトール山を中心に火山島である。平地は少ないが棚田を利用した稲作が景観を添える。

 「デンパサール、ウブド゙、タナ・ロット、ブサキ寺院」周辺図
 バリの歴史は古く、紀元前3世紀にはこの島で金属器が用いられている、9世紀に入るとインド文化が波及し独自の文化が栄え始める。
 13世紀に入るとジャワ島の王朝文化が勢力を強めて行き、オランダがこの国を支配しても、バリ独自の文化は残り、現在の“バリ“ブームとなってゆく。

 
 「ウブド中心図」 王宮、ダラムウブド寺院、ダラム・ブリ寺院
 私が滞在した村、ウブドも大きな村の中心地で王宮を中心に町が出来ている、世界中から観光客が集り、また多くの外国人芸術家がここを拠点に活動している。
 ダラム・ブリ寺院は(12)で記述するがバリのお葬式に登場するヒンズー寺院

ホテル内の屋外レストランにて朝食

 「村の田舎道」  ホテルやレストランが建ち並ぶメイン道路から外れた脇道、家々にはヒンズー独特の「ベンジョール」(幟)が立つ、このベンジョールは一般的に祭礼の日に飾られるが、最近は家々にいつも立てられていると云う。

 バリは90%がヒンズー教で三大神のシバ、ビシュヌ、ブラフマーの他に「サンヒャン・ウイディー」と云う最高神が存在すると言われる。島にもともとあった自然信仰(精霊信仰)との融和で生まれた神とされる。タイの「ピー」(精霊)と同類だろうか。この娘さんも一身に祈る、代々受け継がれてきた生活の一部なのだ。

 家族全員でお祈りをする、お母さんが娘に作法を伝授しているのだろうか。

 ここには シバ、ビシュヌ、ブラフマーの神は居ない

 供物のお飾を造るおばさん、写真に写っている布地は全て本物のバディックだ

 たくさんの村人が精霊の宿す場所に供物を捧げる、精霊はあらゆる場所に存在すると云うが、私には分からない。

 子供たちの「聖獣バロン」が練り歩く、 日本の獅子舞だろうかおひねりをもらっていた

 大人の「聖獣バロン」 商店街、お土産店等人通りの多い場所を練り歩いて喜捨を受けている

 少し町を出れば棚田が広がる、バリは火山島で斜面が多く平地が少ない、また熱帯モンスーン地方であるから雨が多く暑い。お米は年3回収穫できると言う

 田圃にはアヒルがいて、雑草を駆除してくれる。米がたくさん取れそう、見るからに豊かな島だ。

インドネシアを歩く(12) へ続く