紀行

ベトナムを歩く(4)

ハノイ・ハイフォン

 平成26年9月10日 池内淑皓

         ハノイ周辺図      地球の歩き方「ベトナム」ダイヤモンド社より

  早くベトナム国有鉄道に乗りたくて、「ハイフォン」を訪ねる事とした。ハノイ駅から終点のハイフォンまで100km、列車で3時間弱の距離にある。ハイフォンはベトナム北部の最重要な港で、植民地時代はフランス軍の出撃拠点であったし、ベトナム戦争ではアメリカの軍港でもあった。
  アメリカがベトナム北部へ進出するにあたり、港を機雷封鎖したので、世界中から批判を浴びた、今でもベトナム海軍の重要な港となっている。
  平和な今、私はのんびり車窓風景を楽しむことと、お目当てのハイフォン名物「バイン・ダー・クア(麺)」を食べに行くことにした、気ままな一人旅の良さはここにある。
  前日下見を兼ねてハノイ駅にゆき、ハイフォン行き列車の時刻を確認する、ガイドブックではハノイ駅発午前 6:00に発車と記述されているが、7月23日現在ハノイ駅発は運休となり、隣のロンビエン駅発9:20となっていた、駅員に確かめたらハノイ発は無いと言われた。

ハイフォン→ロンビエン ロンンビエン→ハイフォン時刻表

  7時過ぎタクシーでロンビエン駅に向かう、小さな駅だが、ホン河に架かる長さ1700mの「ロンビエン橋」が歴史上有名で、1902年に完成し、ハノイとハイフォンを結ぶ最重要な橋であった。ベトナム戦争ではアメリカ軍が繰り返しこの橋を攻撃している。

朝のロンビエン駅(GAはベトナム語で駅の意味)

ロンビエン駅構内、線路は単線で非電化(ベトナム鉄道は全て単線で非電化)

ロンビエン橋

  列車は定刻に出発、エアコン付のソフトシート(一等車?)に乗車、乗客も少なく、窓枠に肘を付けてぼんやり車窓風景を楽しむ。
 
ソフトシートの車輛(座席指定でリクライニング)    ハードシートの車輛(椅子は木製で自由席) 

 
  ハイフォンにはほぼ定刻の12:00に到着、帰りは14:35発があるから帰りの乗車券をついでに購入。

   
 ハイフォン駅  列車の切符、7月23日LP3・一号車30番席 7万ドン(350円)

  お昼に到着だから、まずはお目当てのバイン・ダー・クアの麺を食べに行く、比較的小さな町であるから徒歩で十分だ、お目当ての店は露店の屋台だった。

名物バイン・ダー・クア?を食べさせるお店

 
「バイン・ダー・クア」は、米粉をサトウキビ汁で練り込んで麺にして、蟹をすり潰した濃厚なだし汁が絡む。
  私も道路端で小さな椅子に腰かけて名物を食べた、旨い。(麺の解説は地球の歩き方「ベトナム」による)

  一息ついて町を歩き始めたら、人や車が極端に少ない、「ハイフォン博物館に行ったら、14時まで昼休みだという、海軍博物館は4kmも離れているし、海に出て港の写真を撮ろうと歩いていると、騒がしい音楽隊の演奏が耳に入ってきた、何と葬式を行っていた。白い制服を着た軍楽隊のような格好で、勇ましく演奏しているのだ。
  列車の出発間際まで葬式を見届ける事にした。
(私見、もしかしたらこの葬式、海軍関係者の葬式ではないかと思う)

  お葬式の家の前で楽隊が派手に吹奏楽を演奏、参列者は道路を挟んで手前の花輪の後ろに  詰めている

あらかじめ散水車が来て道路を清める、お釈迦様を屋根に乗せた自動車が家族を乗せて行く

自動車、楽隊、花輪、白い制服を着た人が棺を担ぐ

最後に僧侶が歩いて行く

  この国は12時からお昼休みが2時間あって、公的施設は全て休みとなる、私は14:30発の帰りの列車を気にしながら港に出て、写真を一枚撮り急ぎ駅に戻った。

 
 ハイフォン港
続く