紀行

ベトナムを歩く(5)

ハノイ・陶器の里バチャン

 平成26年9月18日 池内淑皓

  ハノイ滞在5日目、今日も朝からカンカン照りだ。朝食はベトナム名物のバインミー(ホットドック?)、ベトナムの宗主国がフランスであったせいか、パンが殊の外旨い、ベトナム語でバインミーとはパン(Banh Mi)の事。
  朝、昼、夕、町のあちこちで売られているし、行商のパン売りもいる。硬いコッペパンを半分開いてレバーペーストを引き、香辛料を塗って、キュウリ、レタス、香菜、トマトを乗せ、焼き肉を挟んで独特のタレをかけて250円、 とても美味しい。ベトナム滞在中の朝食は、三日に一度はバインミーとミルクとランブータン(南国の果物)だった。

  「バインミー」お皿の中には塩コショウとヌックマムが入っており、適当に具にまぶして食べる

  今日は、ベトナムの焼き物の里「バチャン」を訪ねる、日本の益子焼の益子、有田焼の有田と同じ陶磁器の町で、ここで製造された陶器は、日本へも輸出されている。崎陽軒のシューマイでおなじみの醤油入れの容器も、たくさん無造作に置かれていた。
  行き方は、ロンビエンバスターミナルから、47番バスに乗り、終点がバチャンである。
ホテルからタクシーでロンビエンバスターミナルに行く、ここは鉄道のロンビエン駅の前であるからすぐ分かった。47番バス停を探す、近くにいた若い女性にバス停を聞くと、「私も行きますので一緒に行きましょう」と答えてくれた、ベトナムの人は本当に心から親切だと実感する。
  バスに乗る。と、その女性が何とバス代を支払ってくれたのだ、料金は25円(5000vd)でどこまで乗っても均一料金となっている。(ベトナムのバス代は日本人にとってはとても安い、因みにタクシー料金も安い、2kmまでの初乗りは60円、以降100m毎に5円加算される、ホテルからバスターミナルまでなら、15分程乗って300円位)
  彼女の名前は「りん(Linh)」、お礼に日本から持ってきたスナック菓子と「龍角散のど飴」をあげた(龍角散のど飴は排気ガスで喉を傷めないように少し多めに持ってきた)。

バス代を支払ってくれた「リンさん」

  終点でバスを降りると茶店に案内してくれる、リンの3人の友人が既にお茶して待っていた。
  男の子はロイ君(Loi)、赤いシャツを着た娘さんはマイさん(Mai)、白いシャツの娘はニャーさん(Nga)と言い友達同士だという。
左から「マイ(Mai)さん」、男子の「ロイ君(Loi)」、私、そして「ニャーさん(Nga)」

バチャンの陶器店、町全体が瀬戸物の里

中央がリンさん

      大きな荷物は自転車に載せてこのように運ぶ、バランスを取りながら
      実にうまく運搬するこの方法は、ベトナム戦争で、ベドミン達が重い武
      器や弾薬を運搬した方法と同じ

  「一緒に村を散策して、陶芸教室に参加しませんか」と誘ってくれたのだ、もちろん二つ返事で OK した。
  各自が好きな焼き物を作った後、赤シャツのマイさんが「時間があれば私の家でお昼ご一緒しませんか」と誘ってくれた、これももちろん快く喜んで OK した。バチャンへはロイ君とマイさんが、既にバイクで来ていて、二人乗りでマイさんの家に行く事となった。

私は、数種類のペンダントを作った、中央ロイ君、左マイさん

       ロイ君運転するバイクに乗ってマイさんの家に向かう(後ろの看板
       BIA HOI HA NOIは生ビール・ハノイと読む)

  仰天、豪邸ダアー! ハノイ郊外とはいえ、かなり広い庭を持つこのような家は、相当な資産家だろうと思う、
  広いバルコニーを持つフランス風の建築は、床まで含めてタイルが張り詰めてあった、畑もあり、リュウガン(小さな実で果汁が甘い)を手折って持ってきてくれた、盆栽も半端ではなかった。

 台所で私が「するめ」をあぶっている所(お皿にアルコール入れて、
火を付け網で両面をあぶる、アルコールの弱い炎が何とも絶妙?)

  親切に甘えて家族全員で昼食を御馳走になる、床に花ゴザを敷き、あぐらをかいて昼食を食べる、美味しい。
  奥は鳥の焼き物、手前アヒルの焼き物、右奥野菜のサオトイ、左の野菜はレタス、お皿にするめが置いてある、醤油(ヌックマム、に唐辛子が入る)を付けて適当に味付けしながら食べる

  ご飯は日本のお米に近く、柔らかくふっくら、電気炊飯器で炊いてあった

  女性も胡坐をかいて食事している、 ビールが飲みたかったけれど、冷たいお茶がまたおいしい

  左からマイさん、私、お母さん、お父さん(急須が日本の物と全く同じで驚いた、日本の急須はベトナムから来ているに違いない)

玄関にて

  お礼に日の丸のピンバッジを差し上げてマイさん宅を辞した、帰りもバイクの二人乗りで町まで送ってくれた。ホアンキエム湖畔で、アイスクリームを皆で舐めながらお別れした。全てがハプニング゙の連続であった。

 
ホテルで暑い風呂を浴びて、ハノイ最後の夜は大聖堂を背景に食事をしよう 

 
続く