紀行
ダナン(1)
平成26年10月27日 池内淑皓 |
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7月30日(水)滞在11日目、今日は列車でベトナム中部のダナンに向かう。切符は10:45発のSE-3列車、たぶん遅れて到着するだろうから、9時過ぎフエ駅に着くようにタクシーで行く、駅のキオスクでバインミー(コッペパンに色々な具材が詰まったサンドイッチ)とミルクを買い列車を待つ。 9:30に列車が来た「おや!おかしいぞ」、駅員に聞くとフエ着9:00のダナン行きの列車が、遅れて到着したと言う、ハノイ発19:30の列車(SE-19)で、フエ着9:00着の予定が遅れて、9:30に来たのだ。 「ラッキー!」一本早い列車に乗れるぞ、かまわず乗ってしまう、SE-3を待てばまた遅れてくるから、この列車の方が便利だ。車中の人となれば空いている席に座る、検札は来ない、車掌が来たら、私は日本人で、ベトナム語は分からないと言えば良い。ゆっくり座って、車内販売でアイスコーヒーを注文する。 今回車窓の旅一番のお目当ては、ベトナムを南北に分けるハイバン峠越えの列車を撮影することにある。標高496mの尾根を境に気候も風土も気質もがらりと変わると言われる。ベトナムは1954年から21年間、この辺りを横切る北緯17度線を境に、国土は南と北に分断されていた、現在でも「DMZ(非武装地帯)」として過去の負の遺産が数多く存在していて、そのための戦跡見学ツアーも催行されている。 |
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「ダナン大聖堂付近拡大図」 私は大聖堂の近くにあるミニホテル、ミンアンに泊まる。 地球の歩き方「ベトナム」ダイヤモンド社 |
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「フエ駅→ダナン駅行き 座席指定乗車券」 7月30日発 SE-3列車 3号車30番シート |
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「ソフトシート車輛」、二座席のロマンスシート、空いている席に座る。 車輛は奇麗でリクライニング、ピンクのカーテンが社会主義国らしくない |
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「写真はハイバン峠の北、フエ側」 | ||
列車はベトナムを南北に隔てた北緯17度線に近いハイバン峠にさしかかる、海抜496m?交通の要衝であると共に南ベトナム、北ベトナムの時代にはここを接点に衝突を繰り返した、また第二次世界大戦では日本軍の基地があり、ベトナム戦争ではアメリカ軍最大の拠点でもあった、当時の日本軍監視所跡が今も残されている。 |
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「ハイバン峠を通過中の列車」 | ||
列車の窓は開かない、車両の出入り口には鍵がかかっていて扉が開かない、窓は汚い、私はトイレに入って換気窓から手を出して撮影した。レールを軋ませて幾つものトンネルを潜り抜ける、ハイバン峠越えはこの路線の圧巻であるに違いない。 |
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峠を境に天候がガラリと変わる、今までどんよりと曇っていた空が、峠を抜けると、東シナ海の紺碧な海と空が一杯に広がり瞬時に別世界となる 「南に来た!」 と言う感動に心が躍る。 13時、列車はダナン駅に到着する、ここでのミニホテルは「ダナン大聖堂近くの「ミンアン」(一泊2400円)に決めた、もちろんエアコン、バスタブ、ミニバー付で、町の真ん中に位置しているから、どこへ行くにも便利だ。(一般的にミニホテルは、部屋数が少ないだけで(10〜20室位)施設も大ホテルとあまり変わらない、安ホテルとは違う) 本来ならホイアンにゆっくり宿泊して「ホイアンの世界文化遺産」と「ミーソン遺跡」を訪ねる予定にしているのだが、列車がホイアンを通らないので、仕方なくダナンに宿泊することにした。 もちろんダナンもベトナム中部では最大の商業都市であり、チャンパ王国の都が置かれた場所でもあるし、中世では海のシルクロードとして、ホイアンと共に貿易中継地として栄えた。 |
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昼下がりのダナン駅に到着、 かつての蒸気機関車が置かれている、日本の新橋駅と同じかな |
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「ダナンの海岸」 ベトナム中部に位置するここは、ベトナム第三の中央直轄市であるが規模は小さい、しかし今、ここは「東西回廊」の主要拠点となったのである。 ミヤンマー南東部、タイ北部、ラオス南部、そしてベトナム中部ダナン、4か国を横断する1500kmの道路、インドシナ東西回廊が2006年に全区間にわたって開通した。インドシナ内陸部は陸路で直接海に継がった。その起点、終点がダナンなのだ、各国の物資が直接日本、中国、韓国、米国へ向かう物流ルートが完成した。ダナンは大きく飛躍するに違いない。 |
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穏やかなダナン港、龍が海を渡るアーチ橋が何とも楽しい |
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「たそがれ時のダナン港」 北に比べてネオンの数が多い気がする |
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「朝のハン市場」 東南アジアの市場はどこでも賑やかで、活気がある。ここではいつも女性が主役だ、アジアの女性はとても良く働く。 |
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今朝、お父さんが採ってきた魚を路上で売っている(この女性は篭の中の太刀魚を全部買って行った) |
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「ハイ50円」持って行きな! 元気な声が響く、右は見習いの娘さん |
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市場にはこのような良いお魚が無造作に並ぶ |
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路上ではお肉を切り売りしている |
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マーケットの中では良質の肉が切り売りされる、おばさんは今、豚の脛を切っている |
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海老もたくさん並べられていた |
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蟹が逃げ出さないように紐で縛られて、裏返しにして売られている。 |
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「蛙を捌く」 緑の袋には生きている蛙がいる、素早く取り出して、鋏を蛙の背中に差しこんで首を斬る、黄色い手袋をしたおばさんが、頭を引きちぎり、皮を剥いて容器に入れる。 |
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路上の花屋さんはめずらしい、仏花も売っている、紛れもなくここは仏教の国なのだ。 |
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「棒手振り」のお嬢さん、比較的軽い乾物を売っていた | ||
続く |