紀行

東海自然歩道を歩く(8)

畦ヶ丸・菰釣山・山伏峠・山中湖平野

 平成27年8月22日 池内淑皓

 2015年(平成27年)5月3日(日)快晴、入山三日目の今日は私の誕生日。
1941年生れにしては元気であるかどうか、今日の体力テストで証明できるのであろう根性、気力、体力、そしてちょっぴりの知力。
 行程は畦ヶ丸避難小屋(1293m)を出発して、大界木山(1246m)、城ヶ尾山(1199m)、ブナ沢の頭、菰釣山 (1379m)、油沢の頭、樅の木沢の頭(1306m)、西沢の頭、石保山(1297m)、大棚の頭(1268m)、山伏峠(1100m)、そして道志みち(国道413号)を歩いて平野に到る、水平距離約17km、歩程約9時間の予定。
 今までのように500mものアップ、ダウンは無いが、縦走路には小さなコブ(頭)が多い、この小ピークの登り下りが少し厄介になりそう。平野発最終バスは17:12であるから、どんなにゆっくり歩いても乗れるだろう。

   
「東海自然歩道行程案内板」 犬越路から山中湖平野までの水平距離行程図  (今日歩くコースの拡大図)

「西丹沢自然園から山伏峠までの案内図」 ここからは神奈川と山梨の県境を歩く
今回は山伏峠で下山するが、 東海自然歩道は更に大棚の頭から高指山方面に向かう

「畦ヶ丸山から城ヶ尾山拡大図」(東海自然歩道を歩く(武井岳男著)山と渓谷社刊より引用)

「避難小屋の前にて」  寝不足の目をこすって5:50出発、写真は小屋の同宿者に撮ってもらった。

 山小屋の朝は早い、4時頃からごそごそ支度を始める。私も4時半に起きて朝食の準備をする、昔はケロシンバーナー(灯油)で湯を沸かしたが、現在はボンベのバーナーに変わったからゴーゴー音がしない、小屋の中はとても静かだ。
 いつものようにラーメンとお餅2個と缶詰め、昼は昨夜のドライカレーの残りと、カロリーメイトとビスケット。非常食はあるが使わない事にする、水は1.5 リットルあるから大丈夫。 泊まった人達はそれぞれが別々のコースを行き、山中湖に向かう人は私一人であった。

モロクボ沢の頭までは急な下りで、ザレ場(崩れた場所)もあり、危ない細いリッジ(稜)を注意して歩く。
総じて丹沢山塊は今でも隆起している、フィリピンプレートが伊豆半島を押しているのだ。この山はもともと石英閃緑岩で出来ているから、白い花崗岩質は脆く崩れやすい(写真の白い部分)

「モロクボ沢の頭」 ここで加入道山(1418m)からくる道と合して、山梨と神奈川県境の稜線を歩く。

木の間越に富士山が大きく見えてくる、山梨がグッと近づいたのを実感する

「城ヶ尾峠」で道志みち(国道413号)に向かう道を分ける。(バス停下善之木)

このバス停は富士山駅(旧富士吉田)へ平日一日2本しかないから要注意、休日は運行しない。

 「城ヶ尾峠」 降り注ぐ日差しが何とも気持ち良い、落ち葉の上で昼寝したくなる気分だ。

「城ヶ尾山(1199m)」 三等三角点の山だが何の変哲もない山

 菰釣山へ近づくに従って、道はすっかり穏やかになる、ここまで来ると今まで荒々しかった稜線もすっかり影を潜め、たおやかな尾根が軽く上下し、縦走路は荒々しかった丹沢山塊から離れつつあるのが実感できる。

ミツバツツジが青空に映える、歩きながらホッと癒される気分がする

「菰釣山頂上」10:30到着、 まだまだ元気だ、ここで早お昼とした。
山伏峠までまだ5.6 kmもあるからここはジックリ構えて、スタミナを蓄える。

「菰釣山」 今日歩く山の最高峰(1379m)、昔はブナの生い茂る山であったが、温暖化の影響か、酸性雨の影響か、かなり枯れ木が目立つ。

「菰釣山~石保土山への拡大図」 小さなコブ(頭)が結構ある

「山中湖見ゆる」 正面の富士山はかくれている、ここから山中湖まであと10.6 km(水平距離)もあるぞ。

   
           「油沢の頭」                    「樅ノ木沢の頭」

「西沢の頭」

「樅ノ木沢の頭から山伏峠まで拡大図」  道志みち(国道413号)が近づいて来る

「石保土山1297m」 頂上に大石が数個あるから名が付いたかな、三等三角点

            「大棚の頭」に到着14時だ、我ながら良いペースで来た。
東海自然歩道はここから高指山に向かうのであるが、今日はここから山伏峠に出て、道志みちをひたすら下って平野に向かう。

国道413号線を1時間下ると、平野石割の湯に15時20分に着いた。
バスはここが停留所であるから、この時間であればお風呂に入ってゆっくり帰っても良いだろう。

                  「石割の湯(平野へ歩いて20分)」
 ここが最近バスの停留場、町の中を走るグルリンバスがここを経由して、旭日丘経由富士山駅、忍野経由富士山駅が出ている。 15:50発のバスを待つも一向に来ない。
 聞くと連休で、河口湖から富士山駅一帯は大渋滞との事、おまけに今の時間は運悪く安倍総理大臣が鳴沢の別荘に来ると言うので、道路規制で車が動けないとの情報。バスが来たのは結局16:30分であった。

渋滞のため大月経由の中央線はあきらめて、旭日丘で御殿場行きのバスに乗る。
御殿場駅周辺も東名高速道路に入る車で渋滞、結局御殿場線は19:13発となった。おまけにこの電車も満員、歩くよりヘトヘトに疲れて横浜に着いた。

この項完

 〔参考タイムを記す〕畦が丸避難小屋(5:50)→大界木山(7:20)→城ヶ尾山(7:45-7:50)→菰釣山(10:30-11:00昼)→石保土山(13:20)→大棚の頭(13:55-14:00)→山伏峠(14:20)→石割の湯(BS停)(15:20)

                     
 東海自然歩道を歩く(9) 平野・山伏峠・高指山・平野へ続く