紀行

東海自然歩道を歩く(14)

本栖湖・県境・麓・猪之頭公園

 平成27年12月10日 池内淑皓

 2015年(H27)9月21日(月・祝日) 晴れ、本栖湖のキャンプ地を撤収して道標に導かれながら南に向かう。割石峠(県境)で一旦山梨県と分かれて静岡県に入る。
 江戸時代金山で栄えた「麓の集落」を通り、猪之頭と云う小さな村にある公園でキャンプとした。予定では田貫湖まで歩きたかったのであるが、出発が少し遅かった事と、天幕類が夜露に濡れて重くなった事と、少し疲れ気味であったから、猪之頭中学校前で歩くのをやめた。天幕の良さはここにある、嫌なら歩くのやめれば良い。
 ここから田貫湖までは1時間程かかるから、キャンプ場に着いて炊事するのが遅くなるし、めんどうくさい。写真で歩いて行こう。

       本栖湖キャンプ場から県境を越えて A沢貯水池までの概念図
                     (東海自然歩道(武井岳男)山と渓谷社刊より引用)

キャンプ場前の舗装道路を青少年スポーツセンター方面に15分程歩くと、道標に導かれて東海自然歩道は雑木林の中に入ってゆく。写真の正面が自然歩道

 
   
竜ヶ岳(1485)の山裾を巻くように蛇行しながら県境(割石峠)に向かう、この辺りはすっかり樹海を離れて昔からの泥道となり、樹木も広葉樹林や杉林に変わった。

山梨県と静岡県の県境(割石峠)に到着、境界の印はこの道標だけのあっさりしたもの。

   
静岡県側に入っても竜ヶ岳の山裾を巻くように歩く、所々「ガレ場」には梯子が架かっているから安心だ

端足峠(はしたとうげ)へ分岐する道を分けると、やがて東海自然歩道は明るい茅の原に出て、A沢貯水池に向かう。この辺りまで来ると朝霧高原が見えるようになる。

A沢貯水池から麓部落で鋭角に曲がって、比較的明るい杉林の中を猪之頭集落に向かう
                          (東海自然歩道(武井岳男)山と渓谷社刊より引用)

         県境、A沢貯水池、麓集落、猪之頭公園までの東海自然歩道概念図

                         A沢貯水池
A沢貯水池で根原の集落へ行く道を分けて、自然歩道は雨ヶ岳の山裾を歩く、

                        根原の吊り橋
根原の吊橋で小川を渡り、いくつかの小川と涸れ谷を越える、大雨が降った後は通れないから、その時道はA沢貯水池から根原の集落に出て、国道を南下するように案内板に記されている。 「道の駅朝霧高原」に出る抜け道もあるから、万一の場合利用出来る、案内板もしっかりしている。

                      東京農大富士農場
道の右側は雨が岳の山裾、左側は朝霧高原で広い牧場が広がる。丸西牧場、東京農大富士農場の牧柵沿いに東海自然歩道のトレイルは続く。

                          麓の吊り橋
麓の集落は武田信玄の金山奉行所が置かれたところ、後方の毛無山(1945)、金山(1596)で金が採掘された、今でも当時の精錬跡や採掘した遺構が残る。
道は麓集落で鋭角に曲がり、「ふもとっぱらキャンプ場」の先で自動車道路と分かれて森の中に入る、深い谷を吊り橋で渡り、猪之頭集落を目指す。

                猪之頭中学校正門(校舎はこの奥にある)
森を抜けるとヒョコリ猪之頭中学校の前に出る、時計は午後3時少し前だが疲れた。この先田貫湖キャンプ場まではたっぷり一時間もあるから歩くのは止めにして、今日はここまでにしよう。

学校前の県道の向かい側に「猪之頭公園」がある。
公園内には「鱒の家」と言うニジマス料理を提供してくれるレストランがある、そしてその並びに静岡県水産試験場の富士養鱒場があり、この養鱒場はニジマス出荷量では全国一位であるという。
昭和8年開設、広さ54㎡、池の面積1000㎡で水温10度と言う富士の豊富な湧き水を利用して、アマゴやイワナも育てている。

猪之頭公園はかなり広く快適な場所であるから、今宵はトイレ小舎近くの木の下影を宿としよう。
(案内板にはキャンプ禁止となっているが、パトカーが来て事情を話したら黙認となった)

[参考タイムを記す] 本栖湖キャンプ場(7:30)→県境(割石峠)(9:30-9:55)→端足峠分岐
(11:00)→A沢貯水池(11:20)→根原の吊り橋(11:45)→麓(13:45-13:55)→猪之頭中学校
(14:50)→猪之頭公園(15:00)天幕泊

この項完

東海自然歩道を歩く(15)猪之頭公園-陣馬の滝-田貫湖に続く