平成28年3月9日 池内淑皓
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2016年(平成28年)1月21日(木)横浜を10時頃出発、富士駅から身延線に乗り換えて、特急ふじかわ5号に乗り内船駅(うつぶな)で下車する。
3分の接続で南部町営役場のバスに乗り、今日の宿がある鯨野(向田)に向かう。
バス停坂本で降り、散策しながら今宵の旅籠 「そば宿 福いち」(0556-66-2988)に投宿。
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「身延線・内船駅」 富士駅を12:11発の特急ふじかわ5号に乗ると、内船駅には12:53に到着する。
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山梨県・南部町営の徳間行きバスに接続して運行してくれる(全区間100円)
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「そば宿 福いち」 バスを向田集落の阪本で降り、散策しながら鯨野の奥まった所にある宿に向かう
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宿のご主人が迎えてくれる、昨年11月宿泊しているから顔見知りだ。
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早速温泉に入る、大寒の今日暖かい温泉は何よりのご馳走だ。手足を伸ばして浴槽内で居眠りをする。
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夕食はどこの宿でもたくさんの器が並ぶが、この宿は「お蕎麦」が売りだ。
昨年は会津の蕎麦であったが、今日は北海道産の「韃靼(だったん)蕎麦」。この山奥で韃靼蕎麦を食するとは正直言って仰天!
主人のおもてなしが料理にも伝わってきて、大寒なのに蕗の薹の天麩羅、雪椿の天麩羅もご馳走になる。今日お泊りのお客さん達も、このおもてなしがお目当てなのだろう。
*韃靼蕎麦:そばの品種の一種。中国、モンゴル、ネパール等高地で栽培される。苦味があるため「苦そ ば」とも云う。
*韃靼人:8世紀頃モンゴル高原に現れたモンゴル系の一部族、後モンゴル系の総称となる。 タタール族
*韃靼海峡:ユーラシア大陸と樺太の間の海峡名で、昔は間宮海峡と言った。
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2016年(平成28年)1月22日(金)晴れ
宿を早めの7時に出発する。今日は山越えして徳間に出て、林道を歩いて奥山温泉に向かう。
温泉に入らず、すぐ山道に入って田代峠に出る、ここは山梨と静岡の県境、何となく塩の香りがする東海の風が吹いてくる気がする。興津川の最源流を一気に下り3時間、今宵の宿八幡温泉(河内)に到着する。
写真で歩いて行こう。
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鯨野、徳間、奥山温泉、田代峠間 東海自然歩道概念図
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宿から山の方へ10分、鯨野の林道を離れて自然歩道は山道に入る。古式蒼然とした道標が迎えてくれるが、何となく人通りの少ない道のような気がする。
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危惧した通り橋は落ち、道は荒れている、倒木が重なり合い道が途絶える、慎重にルートを探す。
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林道が寄ってきた、自然歩道は道が荒廃しており、指示板は林道を行くように案内している。
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大野段と云われる尾根の頂上付近は積雪があった、林道は凍結していたのでアイスクリッパーを使用する。
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約2時間かけて徳間バス停に到着。徳間の集落は長篠の戦い(織田軍と武田軍の戦い)で敗れた武田の落ち武者が住み着いたと云う里。山梨県で最南端に位置する深い山里の中にひっそりとある。
東海自然歩道はここからが本番
(徳間の集落で単独で宿泊を考えている歩行者は注意、殆どの施設で宿泊出来ない、南部町役場で問い合わせる事(0556-64-3111)、民宿先祖は団体客のみ泊まれる)
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奥山温泉に向けてひたすら林道を歩く、所々道が凍結している。
この週、1月18日は未曽有の寒気が押し寄せ、沖縄にみぞれが降り、台湾で雪が積もった。
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途中「七つ釜の滝」があるが、現在道が崩落しており通行禁止となっている、私は吊り橋(遊覧橋)のあるところまで下りて(15分)一枚写真を撮る。
滝が七つあり、その渕を釜と言う。山梨県が完全に陸化する造山運動の最後の断層だと云われる。
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「奥山温泉」 県営日帰り温泉、10時から17時まで営業、今は時間が早いので営業していない。
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林道から離れて田代峠へ登るに従って雪が多くなる、表面の雪が凍結しているので4本爪の
アイゼンを付ける。 道を右に取れば3時間程で、標高1394mの篠井山に行く。
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「田代峠」にて、標高1000m山梨県と静岡県の境。ここからは駿河の国を歩く。何となく東海の暖かい
海風が吹いてくる感じがする、峠の地蔵が愛くるしい。
中世、この峠は武田信玄が甲斐から駿河に向かうための軍用道路の一つであった。
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峠の道標 温泉マークが二つもあるがいずれも時間が合わず入浴できなかった。
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「軍艦岩」 峠を下れば雪は少なくなりやがて消える。沢は興津川の最源流となる。
途中に軍艦岩と云われる大岩が現れる。謂れはいろいろ書いてあるが、安政の大地震で現れたという。
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今宵の宿舎「八幡温泉」 正式な宿名は㈱八幡温泉老人センター(0543-95-2755)
沸かし湯で月の前半は湯を入れ、後半は湯を抜くと言う、この日は温泉に入れなかった。 広い座敷に炬燵敷き。数十年振りに炬燵寝した、足を暖かくしたから安眠出来る。(一泊三食7,500円)
[参考タイム] 鯨野→(2:30)徳間→(1:10)七つ釜の滝→(0:25)奥山温泉→(雪2:30)田代峠→
(1:40)軍艦岩→(1:15)八幡温泉(泊)
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この項完
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東海自然歩道を歩く(19)寺尾島(西里)・穂積神社・竜爪山・牛妻・湯山温泉に続く |
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