紀行

東海自然歩道を歩く(24)

家山駅-野守池-市井平-金剛院-平松峠

 平成28年6月18日 池内淑皓

2016年(H28)5月9日(月)雨
 今回の歩行期間は天気予報によれば全体的に雨で、三か所の宿泊場所が既に予約してあるから、いまさらキャンセルできず実行したが、何ともがっかりな東海自然歩道歩きであった。 
 横浜を7時少し前に出て、東海道線の鈍行で静岡に向かう、大井川鐡道の金谷発10:14に乗れば、今回出発地の家山駅には午前中に着く。駅そばの野守の池を見て平松峠に向けて出発、雨はざんざん降っている。
 自然歩道上にある大日山金剛院宿坊は、二年前から宿泊出来ないので、金剛院の檀家さんのログハウスに泊めて頂く、平松峠から家山方向に歩いて10分の近い距離にある。
 このログハウスは、「ログハウスみそら」と言い、農林民宿の形をとっている(家山に住む小沢さん090-2575-1961) 今はお茶の季節で多忙という事でカギを玄関前に置いて頂いて、勝手に入り込んで自炊形式で宿泊した。
金剛院は消防法の事情で宿泊不可となったと聞いている。

家山--野守の池--金剛院--平松峠間の東海自然歩道地図

家山から平松峠間の行程図、4時間25分 13.3㎞

大井川鐡道はさまざまな会社から車両を提供されている、今日は近鉄特急の車輛に乗った

「野守の池」 この池にも夢窓国師と遊女野守の悲恋物語が秘められているが、地形的にはこの辺りが窪地となっており、ため池の一つであろうか

家山から来る県道R63号線と別れて家山川を越えて山道に入る。八垂の滝はこの手前にある

この辺りは「天竜美林」と称され杉、檜の植林地で手入れの行き届いた樹林が美しい。
風も雨も林道に入ると緩やかになり、比較的快適に歩く事が出来た

ジグザグに林道を登り詰めると「市井平」に出る、海抜400mの高地にあり涼しい、お茶畑には最適な所だ。

南に斜面を抱え後ろに山を背負う、雲が湧きやすく適度な湿り気がお茶には最適なのだろう、収穫寸前の柔らかい川根茶葉が眼に滲みる。

「大日山 金剛院」 15:30到着、雨は変わらず降っている
このお寺、養老2年(718)開創されたが、明治40年の大火で堂塔伽藍の全てを失う、行基作の大日如来を本尊とする真言宗の古刹、標高700mの稜線上に建つ

手洗い場で雨をしのぐ、ここまで来た証に一枚。

「大日山金剛院 山門」 大火で焼失した中、唯一焼け残った山門
天保六年の築で精巧な作りのため、市文化財に指定されている

「平松峠」 川根方面から来る県道R63号線(藤枝天竜線)は家山駅前を通り、ここ平松峠を越えて遠州森町に向かう。東海自然歩道は峠から左の尾根道に入る

「ログハウスみそら」 今日の宿泊施設、農林家民宿となっている。
農林家民宿とは家族がここに集い、山仕事、炭焼き、畑等を体験する道場となっている宿泊施設で、通常は二食付であるが、今のこの時期はお茶の最盛期で猫の手も借りたいと言う忙しさ、本来泊めていただける状況になかったが、東海自然歩道を歩いていると言う事情を話して宿泊出来た。

鍵は玄関に置いて頂いた、山小屋スタイルで勝手に入って、自炊して食事を作って良いと言われた。
早速濡れ物を乾かし食事の準備にかかる。
平松峠から10分の距離にあるから、ゆっくり休息できるのが何よりのもてなしだ

 この項完

[参考タイムを記す]
家山駅(11:36)→野守池(12:00)→八垂の滝(13:00)→市井平(13:50)→金剛院
(15:30-15:40)→平松峠(16:00-16:05)→ログハウス(16:15)泊

東海自然歩道を歩く(25)平松峠→春埜山→新宮池→犬居城跡→秋葉神社下社に続く