紀行

東海自然歩道を歩く(27-2)

くんまの里-県境-阿寺の七滝-睦平-大野宿

 平成28年8月22日 池内淑皓

2016年(H28)6月6日(月)第二日 晴れ
 今日は静岡県と愛知県の県境を越え、国指定天然記念物の「阿寺の七滝」を見て、往古には大いに栄えたと言う大野宿(JR飯田線三河大野駅近く)に泊まる行程。天気も上々快適なウオークが楽しめそうだ。
大野宿は現在一軒のみ営業している「若松屋」(0536-32-1006)と言う旅館があるから、是非泊まって欲しい。

    くんま水車の里→寺平→静岡・愛知県境から六本松までの行程図

    くんま→県境→六本松→巣山へ 概念図 (東海自然歩道現地案内板)

      6月6日(月)快晴、くんまの里大平さん宅を出発

柴からくんまの里に出る道標は、民家の軒下にぶら下がっている、高さが4m以上もあるから、よほど目を上に向けないと探せない。 道標は道路上の目線に建てて欲しい。

100m程県道を下り、阿多古川を市場橋で渡ると、右折して川沿いに熊(くんま)の集落に向かう
ここには江戸時代からの石造り道標がある、右[横山、秋葉山、西川] 左[不動 大野、鳳来寺]

「黒滝」 寺平の集落を抜けて、林道に入るとすぐ、休憩所の傍らに黒滝が見える。平凡な滝だよ!  

「静岡・愛知県境」 9:30到着 富士五湖からここまでの静岡県内歩行は、東海自然歩道で最も長い距離となっている、そして山また山の不便で大変な行程であった。

日本橋から歩いてきて二年、ここまで来た証に一枚 “パチリ”

江戸時代ここは街道の要衝の地でもあった。東海道の「御油宿」から鳳来寺を経て、秋葉山へと通じた参詣道で、多くの参拝客で賑わった。自動車が発達した今、歩いている人は自然歩道を歩いている人だけ。
傍らの道標が往時の道しるべとなって残っている。(半僧坊=秋葉山)

六本松のバス停、くたびれたらここからバスでJR飯田線に行く事が出来る、本数は結構多い。
正面にある東海自然歩道の看板は間違い。この道を歩いてはいけない(北、東栄の方角になる)

六本松→巣山→阿寺の七滝→睦平→大野宿 概念図

     巣山への道

「阿寺の七滝」 国指定 名勝・天然記念物。全長64m、上段から2m、9m、2m、26m、8m、13m、9mと七段の瀑布からなり、滝壺が甌穴を作り、学術上貴重な存在となっている。  甌穴(おおけつ)=(滝壺に入った丸い岩が水流によってくるくる回転し、蛸壺のように丸く窪みを大きくした自然現象)

    ゆっくり滝を見ながら昼食とした。

七滝から落ちる水を受けて小川となし、東海自然歩道がそれに沿う。ロバートウッドのような風景が広がる

「猿滝」 自然歩道の道筋にある滑滝、お猿のお尻の様に見えるから名付けられたのであろう

   案内板もこれだけ丁寧に表示してあれば迷うことはない

   
「睦平断層」 睦平交差点に出る手前の崖に中央構造線の名残が見える、先ほど歩いてきた夏明橋からすぐの百閒滝にも典型的な断層が見られると言う(この断層は見ていない)、三河大野駅前の斜面にも典型的な逆断層が露頭している(ここは現地で確認した)。(中央構造線については(19)で詳述しています)

東陽小学校を回り込むように歩くと、ひょっこり大野宿に出る、正面が今宵休泊する若松屋。
JR飯田線の三河大野駅に行くには、ここを左折してすぐ右に曲がり10分程歩いた突き当りが駅である

長さ1km程の大野宿には、まだ旅籠屋の名残の建物があちこち残る、門口には長椅子があって、家の屋号が書き込まれている。人通りは少なく忘れ去られたような町だ

「御宿若松屋」 典型的な江戸時代の旅籠屋造り、間口は狭く奥行きが長い
江戸時代は街道に面する間口の広さで税金が異なった。

   遠州奥山の秋葉山参詣の定宿看板が掛かる
大野宿は別所街道と、秋葉山街道、鳳来寺街道を交差する要衝の地であった。旅人はまず鳳来寺に参拝し、大野宿に泊まって翌日秋葉山参りに向かったと云う。
今は鉄道が引かれ、自動車が発達してくると宿場は急速にその使命を終えて行く。

   一風呂浴びて、ビールでも飲みながら、疲れを癒そう

この項完

[参考タイムを記す]  熊の里(7:40)→寺平休憩所(8:10-8:15)→県境(9:33-9:40)→    六本松(10:05)→巣山(11:10)→阿寺の七滝(11:45-12:15昼)→睦平(13:45)     →大野宿泊(14:15)

東海自然歩道を歩く(28) 大野--湯谷峠--鳳来寺--鳳来寺山--犬戻し岩--棚山高原に続く