紀行

東海自然歩道を歩く(39)
可児川駅・継鹿尾山・寂光院・犬山橋(泊)

 平成29年3月10日 池内淑皓

 天候がなかなか定まらず、11月下旬の旅立ちとなってしまった。
今回は名鉄の可児川駅を昼頃出発し、恵那・愛知コース合流点を過ぎ、犬山城を見学して犬山で宿泊する。
二日目以降は岐阜市の町の外側を廻るように木曽川を越え、長良川を渡り、樽見線の 「神海駅(こうみ)」をゴールとする三泊四日の旅を予定した。
一日目(11/28):名古屋(9:30)、可児川駅-恵那・愛知コース分岐-継鹿尾山-寂光院
          -犬山城(見学) (泊)
二日目(11/29):犬山-大安寺-寒洞池-老洞峠-下芥見--バス--岐阜駅 (泊)
三日目(11/30):岐阜駅-バス-下芥見-千鳥橋--椿洞-石谷集落-岐阜大学病院--バス
          --岐阜駅 (泊)
四日目(12/1):岐阜駅-バス-犬塚-則松-鹿穴峠-神海駅前(樽見線)--大垣駅-帰浜

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2016年(H28)11月28日(月)晴れ。 新幹線ひかり503号で名古屋に向かう、名古屋から名鉄犬山線で準急行に乗って新可児駅には10:30に着いた。

名鉄犬山線「可児川駅」に到着

前回(H28年9月28日到着)ゴール地点から歩き始める。
三重県から着たハイカー30名が居た、近くの鳩吹山(313m)に登るのだと言う。

名鉄犬山線 可児川駅から犬山城までの東海自然歩道概念図

駅前から道標に導かれて、石原集落に向かう。

途中、「土田城跡」の碑に出会う。
 文明年間(室町時代1469-1487)土田氏により築かれた中世の山城。
弘治2年(1556)土田源太郎が明智城で討死し、以降生駒氏の持ち城となった。
織田信長の生母である、土田御前はここで生まれたと伝えられる。

石原の集落を通過。い~なカフェでお茶したい

「切通しの馬頭観音像」
 この道は木曾街道でもあり、また名古屋・尾張街道とも呼ばれ、元和9年(1623)徳川義直の命により、尾張城下から小牧宿、善師野宿-土田宿を経て中山道と結ぶ街道として造られた。
 江戸時代には多くの旅人で賑わう。この観音像は文化10年(1813)道しるべを兼ねて設置された。
[ 右ハ かち(徒)みち。 左ハ 馬みち  川渡しは 東みち ] とある。

徒みちと、馬みちの分岐であろうか、道標があった。

当然街道の傍らには案内があり、石拾峠を経て善師野宿へ(名鉄善師野駅周辺)と彫られている。
いつも思うのであるが、東海自然歩道を歩いていると埋もれた古街道や、里道、名刹古刹等を出来るだけ拾いながら道づくりをしている苦労に気づかされる。この旧木曾街道もその一つに違いない。

旅人や馬達が呑んだ水場がそのままの姿で在る、石を一段切欠いて清水が掬えるようにしてあると案内の看板に記述されている。

馬子唄が聞こえて来そうなのどかな木漏れ日の峠道

「石拾峠」 この峠は東海自然歩道にとっては「恵那コ-ス」と「愛知コース」の合流点にもなっている。
左から「恵那コースが来て、右から愛知コースが善師野宿からやってくる、ここで合わさって、手前の犬山への道に繋がる。 旧木曾街道はここを通り抜けているのだ。

    
道は継鹿尾山(つがおやま)を経て犬山城に向かって行く。
東海自然歩道は高尾山からやっと半分来た距離になる。

小さな瘤を越えると彼方に「継鹿尾山(つがおやま)が見えてきた。

継鹿尾山(273m)頂上。三角点が建つ

やっと案内板に出会えた。 これから寂光院へ下り、木曽川の畔を歩きながら犬山城に向かう。

ここからまだ1時間半もかかるから頂上の東屋で一呼吸入れよう。

頂上から見た木曽川と、観覧車のある犬山遊園。遠方川に架かる橋はライン大橋

「寂光院」 紅葉で有名な寺、孝徳天皇勅願寺。 開基は白雉5年(654)、開山は元興寺の道昭和尚
中興の祖は織田信長

      紅葉が殊の外美しい、今年は暖冬のせいか遅くまで色付いている

寂光院の参道を一気に木曽川畔まで下る(自然歩道はユースホステルを回り込むように歩く)
滔々と流れる木曽川

川畔の遊歩道を散策しながら犬山に向かう、犬山城とライン大橋と伊木山。
木曽川に犬山城が良く似合う

犬山橋に到着。ここから今宵のホテルが近いので、ザックを置いて犬山城を見に行く。

道標に従って城へ。

「国宝 犬山城」  元和3年(1617)成瀬正成は二代将軍徳川秀忠から犬山城を拝領。
成瀬氏は代々城を世襲し、幕末から明治、大正、昭和、平成16年(2004)まで城を守った。
現在は犬山城白帝文庫の所有となり、犬山市が管理している。

中世の城らしく、石に加工を施さない「野面積」(のずらつみ)の工法
小牧長久手の合戦では、秀吉軍10万がこの城に入った(豊臣秀吉と徳川家康の戦い)

「国宝 犬山城。別名 白帝城」  度重なる災害で修復の箇所が多いが、天守は現存城郭で最も古いと云われる。

天守から見た鵜沼宿方向。 東海自然歩道は右手の山会いの中を行く

 [ 参考タイムを記す]  名古屋駅-名鉄-可児川駅(10:33-10:40)→石原集落(11:30)→恵那・愛知コース分岐(12:30-12:35)→継鹿尾山(13:20-13:30)→寂光院(13:50-14:00)→犬山橋(14:35)(近くの旅館泊)

この項完

東海自然歩道を歩く(40) 犬山→大安寺→寒洞池→芥見(バス)岐阜駅(泊)に続く