紀行

東海自然歩道を歩く(40)

 平成29年3月18日 池内淑皓

2016年(H28)11月29日(火)晴れ。自然歩道のコース上にある旅館に宿泊し犬山城も見学したから、今日はライン大橋を通らず犬山橋から直接鵜沼宿に向かい、土岐氏のお墓のある大安寺を経て、寒洞池を通り、下芥見まで歩く。

犬山から大安寺、寒洞池、天狗谷遺跡、芥見の地図

川美屋旅館(056-861-0448)を元気よく出発、 目の前の道が東海自然歩道で犬山城へ至る

11月29日(火)快晴  犬山橋で木曽川を渡り鵜沼宿に向かう。

木曽川と犬山城とライン大橋、正面の山は伊木山。何ともすがすがしい朝を迎えた。

名鉄新鵜沼駅とJR高山線の鵜沼駅を左にみて踏切を越える

国道を越え、旧道を道なりに歩き、大安寺川を「大安寺大橋」で渡ると、中山道の鵜沼宿に到着。
東海自然歩道は鵜沼宿を横切って北に向かう

「鵜沼宿」 江戸から数えて52番目の宿場、本陣は消滅したが、脇本陣が残されている。
電柱も電線も取り払われて静かな佇まいを見せる。中央の酒造蔵元の「菊水」の存在感が大きい。

自然歩道は、宿場の中程から右折して、大安寺川に沿って北に向かう。 

「大安寺」 臨済宗 妙心寺派 本尊:釈迦牟尼仏。 この寺の墓域に、土岐氏と斉藤氏のお墓がある。

   
「土岐頼益と斉藤利永のお墓」
土岐頼益は南北朝から室町にかけての武将で、美濃國の守護。文武に優れ多くの戦功を挙げた。
足利義満に重用され、応永21年(1414)没した。
斉藤利永は長禄4年(1460)美濃の守護代となる。斉藤氏の拠点となる加納城を築城、清廉潔白な武将であったという、中風を患い他界した。

「日之出不動尊」 明治20年頃、大安寺の笑堂和尚がこの地で修行し、不動明王を安置したのが始まり。

自然歩道も道標も哀れフェンスの垣根に覆われ通れないから、仕方なくフェンス沿いに歩く。

「かがみの自然遺産の森」 自然歩道は多賀坂を下ると右へ折れ、遊歩道で公園に入り寒洞池に向かう。

「寒洞池」 灌漑用のため池、山深い所にあるから神秘的に感じる。

「天狗谷遺跡」 東海自然歩道の道筋にあり、古代の窯跡が非常に保存の良い状態で出土した。
この辺り一帯は、奈良から平安時代にかけての美濃須惠古窯群跡で、多くの須恵器や瓦を焼いた昇り窯が多数発掘されている。

「昇り窯」 斜面の駆け上がりに窯を据える昇り窯。 

窯の一つが崩れ、焼いている途中の須恵器がそのまま窯の中に取り残されてある

「三つ池」 灌漑用のため池。
太公望が糸を垂れているが、私がここで昼食の間中、誰も一匹も釣れなかった。ヘラブナを釣のだと言う。

  
今日のゴール地点の「芥見」の案内が出てきた。

須衛の集落を過ぎ老洞峠へかかる道は、落ち葉の絨毯が延々と続く。 いつも書いているが、何と素敵な自然歩道であろうか。私が一人占めして歩くのは気が引ける。

「老洞峠」 峠から芥見への道は、途中崖崩れのため「通行止」と表示され、フェンスで囲まれている。
ここまで来て通行止めは殺生だ。例によって強行突破を図る。 

崖崩れを突破して国道R156にぶつかる。 芥見は大きな町で、銀行もあれば郵便局もある。
近くのお食事処で「きしめん」を食べてバスに乗る、名鉄岐阜駅へは30分で着く、バスは頻繁に出ているから時刻を気にすることはない。

 [ 参考タイムを記す]  旅館(7:35)→犬山橋(7:40)→大安寺大橋・鵜沼宿(8:15)→大安寺(8:40-8:55)→日乃出不動(9:15-9:20)→寒洞池(10:15)→天狗谷遺跡(10:30-10:35)→三つ池(昼)(11:25-11:40)→老洞峠(12:25-12:30)→東芥見バス停(13:30-14:05おそば)→岐阜駅(14:30) 泊

この項完

東海自然歩道を歩く(41)岐阜駅-芥見-白山展望台-三田洞観音-岐阜大学病院-岐阜駅に続く