紀行

東海自然歩道を歩く(45)
東津汲-日坂-鍋倉山-六合

 平成29年7月4日 池内淑皓

 2017年(H29)4月も中旬になれば雪も消えたろうと、東海自然歩道の続きを歩く事にした。
計画的には4月26日に横浜を出発、大垣のホテルに3泊して自然歩道を歩く事にした。
第一日目4月26日 天候不順のため、垂井から関ヶ原まで歩く
第二日目4月27日 関ヶ原古戦場を終日周遊
第三日目4月28日 揖斐から東津汲経由で鍋倉山に登り六合に下る(3月に雪の為歩けなかった)
第四日目4月29日 関ヶ原から養老の滝まで歩いて横浜に帰る。
 東海自然歩道を東から西に向かって歩く都合上日程が前後するが、街道歩きを文章にするにはこの方が分かりやすい。

 4月28日(金)大垣から養老鉄道で揖斐に行き、東津汲までバスに乗り、ここでタクシーを呼んで日坂まで運んでもらう。このコースは東海自然歩道最大難所の一つで行程が長く、かつては営業していた東津汲と六合の旅館も全て廃業して宿泊施設がないからである。

     東津汲バス停-日坂-鍋倉山--六合バス停までの概念図

     日坂(高橋家岐阜県重文)--鍋倉山までの行程
     (東津汲バス停から日坂まで登り歩行2:30かかり、更に日坂峠まで2:30かかる)

      養老鉄道が桑名駅から大垣駅を経て終点の揖斐(いび)まで伸びている。

養老鉄道大垣発6:45の揖斐行に乗れば、終点の揖斐から7:14発のバスが東津汲方面に連絡している

 東津汲バス停で降りて、ここで揖斐タクシーを呼び日坂まで運んでもらう(3,500円)、歩けば標高430mの日坂までひたすら登り、2時間半もかかる。今後を考えて早駕籠に乗る事にした。
昔は東津汲に2軒、六合にも宿屋があったがいずれも廃業している、現在この行程での宿泊施設はない。

         日坂への途中、みごとな夫婦滝が懸る。

   
3月21日入山した時の様子、道標が雪で倒れていた、      4月28日の今日梅が満開
     標高413mで揖斐スキー場方面の道を分けて、和佐谷に沿って鍋倉山に向かう
 
3月21日入山した時の様子、脛まで雪があった          4月28日の今日の農業小屋
             
   
山域に入ると膝まで雪が来て、かんじきとアイゼンが必要と考えられた。     4月28日の今日

   芽吹いた新緑が初々しい。遥か高い所に自然歩道の看板が木に飲み込まれてあった。

          雪で倒され、朽ちてゆく道標。

  
    天気が回復して良かった。日坂越に向かう快適な登り。

          長者平への道を分けて、尾根の鼻を巻くように登る。

長者平を望む。後方の山は貝月山(1234m)であろうか

    「鍋倉山(1,050m)」 三等三角点の山だ。鍋倉は二峰で一山となり、避難小屋があるが 
    水は無い
    岐阜県内を歩く自然歩道で最も高所の場所。東海自然歩道最高所は丹沢の姫次で
    1,433mである。    

          時間も丁度良いから昼食としよう、風邪もなくうららかな春が鍋倉山に来た。

         落ち葉を踏んで谷山廃村に向かう、明るい尾根道が何とも心地よい。

   六合方面は南斜面を下るのであるが、谷の山桜が満開で、ここは今春が来た感じがする。

     「谷山廃村集落」 一時は二十数戸が生活していたというが、昭和41年廃村となった。

        
      谷山廃村から麓の六合に到る旧道で、高橋谷に沿って5kmの距離がある。
      谷山の子供たちは、1時間半かけて六合の小学校に通ったと言う。冬は分校が谷山に
      設けられた。

高橋川の渓谷美を横目に一時間半下ると、県道に出て、六合のバス停までは5分の距離だ。

15時に六合バス停に到着、地元のお婆さんとバス停の待合室で昔の話を聞き、16:10のバスで揖斐駅に戻った。
この集落(揖斐川町春日)は縄文時代から人が住み始め、主として林業と、木地師の里と云う
今は揖斐茶の産地として生計を立てている。平成に入って、六合の小学校も廃校となった。

[参考タイムを記す] 揖斐駅(7:14発)→東津汲バス停(7:50)→タクシーで日坂へ(8:30)→
長者平分岐(9:30-9:50)→鍋倉山(11:00-11:25昼)→谷山廃村(13:25-13:35)→六合バス停
(15:00-16:10)→揖斐駅(16:33-16:35)→大垣駅(17:05)

         
東海自然歩道を歩く(46)六合→霞間ヶ渓→美濃国分寺→垂井駅に続く  

この項完