紀行

東海自然歩道を歩く(50)
美濃津屋駅・川原越・東林寺・聖寶寺・西藤原駅

 平成29年9月17日 池内淑皓

2017年6月1日(木)夕方桑名のホテルに入って名物の焼き蛤で一杯、充分英気を養う。
明けて6月2日(金)、養老鉄道の一番電車に乗り、前回4月29日ゴールした美濃津屋駅に向かう。
今日から日曜日まで三日間、自然歩道歩きを楽しむ。

「東海自然歩道関西方面全体図」美濃津屋から大阪箕面までの自然歩道。私は奈良コースを歩く予定にしている。

東海自然歩道概念図(美濃津屋駅~川原越(県境)~湯の山温泉~楓谷(バス亭)

養老鉄道は、養老山塊の麓に沿って桑名から大垣に向かう

単線であるが電化されている、昔はセメントを運んでいたと言う。

6:58美濃津屋駅で降りる、4月29日は前線通過で大嵐であった。

踏切を越え、20分程山に向かうと東海自然歩道の道標が出てくる。

ここから岐阜、三重県境に至る養老山塊の峠越えは、大地が湿っていて看板通りヤマビルの生息地

そして熊も出るので、食べられたらいやだから、鈴を4個ぶら下げて巡礼よろしく賑やかに歩いた。

この峠越えは広葉樹林帯で、落葉樹が多いから、「蛭」の生息にはもってこいの場所で鹿、猪の出没が多い。

「岐阜県・三重県県境の河原越」
標高600mの河原越の峠に着く。歩きながら蛭を落としたのであるが、体に合計6匹の蛭が付いていた。1匹は首筋に食われた、他の一匹は靴下の上から食われた。
今後の対処としては靴下、ズボンの裾、スパッツ、バンダナを20%の食塩水に漬けて乾かすと良いそうだ。もちろん塩を振りかけるのも効果的、タオルをゲートルのように巻いて歩く。

川原越は古来から養老山地を挟んだ三重県北勢町と、岐阜県南濃町を結ぶ生活の道であった。去年の7月31日矢作川を越えて岐阜県に入って、今日三重県に到る

三重県に入ると、一転緩やかな林道を歩く事になる、広く開けた道であるから、蛭は少ないだろう。
 
フカフカの苔の絨毯が気持ち良い。 快適な尾根道を下ると、北勢町川原の集落に着く。
「東林寺」臨済宗妙心寺派 本尊::聖観音菩薩。 開山は神亀元年(724-729)と伝える。開祖は行基

「宝篋印塔」 この塔は南北朝時代の貞和四年(1348)初代美濃守護土岐頼貞の奥さんで(執権北条時宗の姪)、頼貞は伊勢の国の守護でもあったから、ここに供養塔が建てられた。

「白滝」東林寺境内の傍らに懸る。約4億年前(デボン紀)の断層によって出来た滝で、高さ22m。源流は養老山塊で北に流れて表滝(養老の滝)、南に流れて裏滝(白滝)と称す。

自然歩道は中部電力変電所脇を通る。

「猪部神社」 藤原集落の産土
東海自然歩道は、養老山塊を離れて、肥沃ないなべ市藤原の田園地帯を横切り、鈴鹿山塊の裾に取り付く。

 「聖寶寺」 臨済宗妙心寺派 本尊:千寿観音
平安時代大同二年(807)伝教大師の開創、戦火により度々焼失する。 江戸時代愚堂国師により再興

藤原時代の作と云われる庭園は素晴らしい。

今日のゴールは三岐鉄道の西藤原駅。15:19の電車に乗れた。
近鉄富田駅に出て、桑名のホテルに戻る。36,000歩であった。

[参考タイムを記す] 美濃津屋駅(7:00)→川原越入口(7:15)→川原越(9:00-9:15)→
東林寺(11:15-11:45昼)→中部電力変電所(12:35)→聖寶寺(14:30-14:50)→
西藤原駅(15:05-15:19)近鉄富田駅(16:04)→桑名駅(16:24)

この項完

東海自然歩道を歩く(51)(東藤原駅-福王神社-宇賀渓-尾高観音-希望荘泊)に続く