紀行

東海自然歩道を歩く(51)
東藤原駅-宇賀渓-尾高高原-希望荘(泊)

 平成29年10月10日 池内淑皓

 2017年6月3日(土)三岐鉄道富田駅発6:01、東藤原駅着7:00の電車に乗る。
今日は自然歩道上に宿泊施設があるからゆっくり歩いて、日暮れまでに到着すれば良いから楽だ。

         宇賀渓水晶谷~福王神社~尾高観音~希望荘までの概念図

 三岐鉄道に乗る。この鉄道は昭和6年開業の全長16.5km、太平洋セメント(小野田セメント)のセメントを運搬する目的で造られた鉄道で、近鉄富田駅から西藤原駅を結ぶ単線鉄道。
丁度今、セメント運搬車両すれ違いのため退避、鉄道の筆頭株主がセメント会社であるから仕方ないか。

      7:00東藤原駅で下車 

セメント鉱山。あの山を削ってセメントを作る。原料は、“ただ” であるが中国産の製品に押されて苦戦。

 駅前が東海自然歩道で、道なりに三岐ガードを潜ると、傍らに朽ちかけた道標があった。

奇麗に整備された桧林の林道を行く

宇賀渓へここより7.9kmの表示が出てきた。空き地にはソーラパネルの発電設備が設置されている。

いなべ市北勢町の新町集落に入ると実成寺がある、自然歩道はここを直角に折れる。

青川を小金橋で渡り、畑と森の境界を歩く。

「石部神社」 (山王宮)平安時代の延長五年(927)開基、祭神:大物主命、天日方奇日命。
神社は、いなべ市大安町に出て県道を西へ、石槫(いしぐれ)集落の外れにある。参道の杉は市天然記念物で古い社だ

自然歩道は県道沿いに歩いて、宇賀渓キャンプ場前を道標に従って谷側に折れる。

 「宇賀渓水晶谷キャンプ場跡」 少子化のご時世、キャンプ場は閉鎖され廃屋のみ残る。

宇賀川をキャンプ場の吊り橋で渡り、谷筋に入る。

宇賀川の谷は6月の長雨で道が壊れ、歩道の取り付きに一部危険な場所がるから、注意が必要

尾根に出ると快適な遊歩道となり、樅の大木が突然姿を現す。

「八風牧場跡」、宇賀渓、水晶谷に続く景勝地、つい最近まで牛が草を喰でいたと言う。 
       探勝路が整備されている
        
「福王神社」 祭神:毘沙門天
敏達天皇五年(576)百済から仏師阿弥陀が毘沙門天を刻み、聖徳太子の命により、ここ福王山に安置したと伝える。
自然歩道から10分程外れているが案内板はしっかりあり、235段の石段を踏まねばならぬ古刹

本殿。社は3の日が縁日で、露店も出ると言う。正面には狛犬ならぬ牛が寝そべっている

朝明川(あさけがわ)を渡渉して渡り、風越峠を越えて今宵の宿泊所に向かう地図

朝明川を飛び石伝いに渡るが、荷物が重ければ飛び越えられない、私はそのまま、ざぶざぶ渡渉した。
大雨の後は、上流の朝明渓谷キャンプ場まで迂回する(1時間かかる)

対岸に出て、そのまま涸れ谷を登る。この道がまた大荒れであった。

大雨で道がなくなり、岩伝いに歩いて源流に向かう、谷の突き当りが峠のはずだ。
けもの道のような踏み跡をたよりに遡行する。春に入って未だ誰も通過していないのだろうか

「風越峠」 別名“いのししの踊場”。ここまで来ると楽ちん。緩やかな林道を下る

今宵の宿舎「希望荘」に到着。16:50であった。
宿泊代は少々高いが(12,000円)、自然歩道上に位置しており便利。

     フロントへはケーブルカーに乗り高台の建屋で受付する

        ロビーから見た四日市方面と伊勢湾。遠くの半島は知多半島

[参考タイム] 東藤原駅(7:00)→新町(実成寺)(7:55)→石部神社(9:13-9:30)→宇賀渓水晶谷(10:20-10:30)→福王神社(11:45-12:00)→尾高観音(14:10)→いなべ川渡渉(15:20-15:30)→風越峠(16:20)→希望荘(16:50) 5万歩

この項完

東海自然歩道を歩く(52) 湯の山温泉-雲母高原-楓谷(宮妻口)へ続く