紀行

東海自然歩道を歩く(54)
関駅・弁天・加太不動滝・ゾロ峠・JR柘植駅

 平成29年12月1日 池内淑皓

2017年7月25日(火)曇り 亀山駅発6:47の関西本線に乗車、関駅でタクシーを捕まえて、旧東海道と東海自然歩道の分岐点である弁天(バス停楢の木)まで乗る(地域のコミュニティーバスは関駅発7:25坂本行がある)。
今日のコースは殆どが山の中で、途中唯一関西本線「加太駅」に抜けるルートがあるのみ。

「鈴鹿峠~弁天~加太不動の滝~柘植駅」 概念図 

東海自然歩道(鈴鹿峠~柘植駅) 1:10万

関駅6:55着の電車を降りる。

朝の関駅。江戸時代の宿駅よりもJRの駅は少し安直な作りで、入口の自販機が何とも興冷め。

前日予約しておいた関交通タクシーを利用、弁天(楢の木バス停)で降りる。

バス停の50m先を道標に従って左折、小川を渡る。

道なりに歩けば、国道一号線にぶつかるから、東海自然歩道専用の歩道橋で対岸に渡る

林道中津川線の舗装道路を中部電力変電所、諸戸山林事務所方面に道を取る。

まがき橋を過ぎ、2km程歩くと、やっと舗装林道と別れ山道に入る。直進すればJR加太駅に出る。
うっかりすれば道標を見落とす場所だ。

          
自然歩道に入れば、それなりの変化に富んだ豊かな道を歩く事になる。 

自然歩道に入れば、それなりの変化に富んだ豊かな道を歩く事になる。 

沢沿いの涼やかな遊歩道もある。

ここは癒し系の自然歩道だろうか。

東海自然歩道である事には間違いない。

大雨によるがけ崩れや、橋の流出は自然災害として受け入れるべきだろう。

国鉄柘植駅へ6.6kmの表示が出てきた。道標に国鉄と書かれている、国鉄が民営化されたのが1987年4月1日だから、ここに30年も風雪に耐えてきた価値ある道標だ。

加太不動への道は、深い渓谷に沿う沢筋を歩く。昼尚暗く、小滝がたくさん懸る。
あまりに暗く不動の滝は写真に撮れなかった。

沢を登り詰めればやっと明るくなり、道も明瞭に識別できるようになる。

この位の沢は渡渉が当然、石の上は滑るから要注意。大雨の後であれば滝のように流れる。

東海自然歩道の理念は「観光地でもない、山奥でもない、しかし、自然の生態系が存在している場所として公園に指定し、自然の道とした」。
今日歩く道は、それらの要素が全て含まれている、なかなか味のある自然歩道だが、ここ加太越えは山が深いから、怪我をしたら助けを呼べないので、絶対怪我をしない事だ。           

沢を登り詰めて、やっと峠に出た、「ゾロゾロ峠」と云う。名前の由来は分からないが、三国岳、倉部山、北打山、小平山と登山する山波がゾロゾロあるから名付けられたかな?

峠を下って、林道に出ると看板に「壬申の乱古戦場跡」の碑があった。
壬申の乱とは、660年に起きた古代最大の内乱である。天智天皇の太子(跡取り)大友皇子(弘文天皇)と皇弟大海皇子(天武天皇)が内乱を起こし、クーデターに成功すると言う、古代例のない乱。
大海皇子はこの辺り一帯の豪族の支持を得て、美濃に向かった(ここでの戦いはなかっただろうと思う、ここを通って鈴鹿方面に向かった)。壬申とは十干十二支の”みずのえさる”のこと。

「東海自然歩道分岐」 
右の道はJR柘植駅を通り伊賀、奈良、山の辺の道を通り笠置に向かう南回りコース。
左の道は加太不動から鈴鹿峠に出て、四日市方面に向かう道(今私が歩いてきた道)
手前の道は余野公園を経て、信楽を行き、滋賀に出る北回りコース

滋賀コースと奈良コースの分岐概念図。 私は奈良コースを歩く

分岐からしばらく林道を通る

柘植駅到着15:15。雨が来なくて良かった。15:41亀山行きの電車に乗れば20分程で亀山駅に到着する。37,600歩であった

[参考タイムを記す] 関駅(6:55-7:05)→弁天(7:15)→まがき橋(諸戸事務所)(8:00)→加太不動の滝(12:20)→ゾロゾロ峠(14:00)→自然歩道分岐(14:50)→JR柘植駅15:15

 
この項完

東海自然歩道を歩く(55)柘植駅--霊山--新大仏寺--上野市駅--伊賀上野駅に続く