紀行

東海自然歩道を歩く(60)
曽爾・室生寺・大野寺・室生口大野駅

 平成30年3月8日 池内淑皓

今回の旅は、名張からバスで曽爾村(そにむら)に出て、前回の続きを歩き室生寺を訪ね、翌日長谷寺に詣で、山の辺の道を散策してから、更に欲張って柳生街道を辿って笠置まで歩こうと、四泊五日の計画を立てた。

 2017年(H29)9月24日(日)夕方名張に着いてホテルに連泊する。
9月25日(月)名張・曽爾・室生寺・門森峠・室生ダム・大野寺と歩いて、室生寺口大野駅から名張に戻る計画
9月26日(火)榛原・戒長寺・鳥見山公園・初瀬ダム・長谷寺と歩いて、近鉄長谷駅から奈良のホテルに連泊
9月27日(水)奈良・大和朝倉駅・海柘榴市(つばいち)・山の辺の道散策・石上神社から天理駅へ
9月28日(木)奈良・柳生街道を歩き、笠置寺に寄って、笠置駅から亀山経由で名古屋、横浜に帰る

9月25日(月)晴れ、暑い。曽爾~室生口大野まで歩く。

東海自然歩道案内図(曽爾横輪バス停・室生寺・室生ダム・室生口大野駅)(地図:奈良県景観自然環境課)

東海自然歩道概念図(曽爾村~クマタワ峠)

名張駅発8:05発山粕西行きのバスに乗車、バスは奥香落渓谷沿いに走って40分、曽爾横輪バス停で降りる。(近鉄榛原駅からもバスの便あり(曽爾村役場下車))

バス停の前に古い道標があるから、導かれて北に向かう、この舗装道路は赤目四十八滝に向かう自動車道路 (右 なばりみちと読める)  
前回8月27日は伊勢街道を少し歩こうと思い、そのまま西に向かった場所。

歩く事3分、右側から葛(かずら)集落より来る自然歩道の道を合わせて、オートキャンプ場経由で済浄坊渓谷に向かう

「兜岩が見える(920m)」 周辺の山々は室生火山群に属し、造山活動によって誕生した山群である。

「鎧岩(894m)」 天然記念物。これら屹立した岩峰は柱状節理の出来やすい玄武岩(火山岩)で、鉛筆状の岩が冷却時に出来たもの。(福井県の東尋坊が特に有名)
玄武岩や安山岩は珪酸分を多く含み、岩が層状に形成しやすく、固く加工しやすい事から石垣の材料に使われる。
江戸城の石垣は、真鶴半島産の安山岩が多く使われている。

自然歩道は赤目四十八滝(名張)方面に行く舗装道路と別れて、左へ済浄坊渓谷に向かう。

まずは快適な林道を通って渓谷に踏み入る、日差しはきついが木陰は涼しい。

済浄坊渓谷は、一般行楽客が訪れやすいように、石畳の遊歩道が整備されている。

岩盤が固いから至る所に小滝が懸る。
遊歩道は滝を見ながら散策できるようになっている


      赤い岩盤に滑滝が走る

      今日は夏日であるが、ここだけは涼しい。

      岩魚か山女魚か、魚が泳いでいる
渓谷を脱し尾根に取り付くと、クマタワ峠に着く。ここには奇麗でないトイレがある。 

「南松の滝」、滝は見飽きたけれど、室生側に入ると国土地理院の地形図に記述されているので、立ち寄ってみる。谷へ200m程下った所に懸るが、感動するほどの滝ではなかった。

東海自然歩道概念図(曽爾~室生寺~室生口大野駅) 木の板に墨書きがめずらしい

宇野川橋で山粕方面から来る県道と合流すれば、龍穴神社に着く。
室生寺がこの神社の神宮寺として創建されたと伝えるほど古い歴史を誇る。

社殿の扁額に「善知龍王社」と読める
室生は古代から水神の聖地として有名であった。この神社は降雨を司る龍神を祀り、平安時代は朝廷にも崇敬された。

神社からすぐ室生寺入口に到る。標柱に「女人高野室生山」と彫られている。
八世紀末興福寺の僧、賢憬が天皇の勅命により建立した。中世に入って少し衰え、真言宗に宗旨替えして復活。今は女性に大人気そして外国人、この日台湾の方が観光していた。
 
昼過ぎに到着。スポーツドリンクをがぶ飲みしながら歩いて来たから、熱中症は避けられた。
一休みしたら、境内を散策しよう。

室生寺入口の赤い反橋(寺側から見る)  京都太秦映画村のセットのような街並みだ

金堂(国宝) 本尊:釈迦如来立像(国宝)、十一面観音菩薩
真言宗の総本山高野山が女人禁制の修行道場であるのに対し、室生寺は女人の参詣を許可したことから、女人高野と呼ばれるようになった。

           
本堂(灌頂堂)国宝  建物は鎌倉時代、屋根は檜皮葺き
仏教の儀式、灌頂(かんじょう)を行うことから灌頂堂とも呼ばれる。

昼下がりの門前町、人も絶え静かな雰囲気が漂う

室生寺入口にある東海自然歩道の標柱に従って門森峠に向かう

のどかな室生の里、自然歩道は里道をくねりながら峠に向かう。

整備された石畳の道が峠まで続く。バスが無い時代には村人もこの道を通ったと言う。

「門森峠」  なんの変哲もない峠、アッと言う間に到着した。

 峠を下りきると、室生寺から来るバス道に出て、20分程歩いて室生ダムに着く。

 
「室生ダム」 昭和49年に完成の上水用ダム。堤高さ63.5m、貯水量1690万㎥

         
「宇陀川の弥勒磨崖仏」 宇陀川を挟んで対岸の一枚岩に磨崖仏が彫られている。
鎌倉時代に彫られ、高さ13mの弥勒菩薩で、供養の際には御鳥羽上皇の行幸を仰いでいる。

 
 
大野寺山門 室生寺の「西の大門」として建てられた

 
 
「大野寺」 役の小角が開山し、弘法大師が室生寺の西の大門と定めて一宇を立てたと伝える。

 
 
今日のゴールは近鉄室生寺大野駅とした。 15:50到着、暑い一日であった。 34,000歩

 
[参考タイムを記す] 名張駅(8:05)→曽爾横輪(8:45)→クマタワ峠(10:40-10:45)→南松の滝(11:25-11:45見学昼食)→室生寺(12:45-13:00)→門森峠(13:40)→室生ダム(15:15)→大野寺(15:35-15:40)室生寺大野駅(15:45)

  
この項完

 東海自然歩道を歩く(61)榛原駅・戒長寺・鳥見山公園・長谷寺・近鉄長谷寺駅へ続く