紀行

東海自然歩道を歩く(64)
大河原駅・月ヶ瀬駅・野殿・童仙房(泊)

 平成30年5月20日 池内淑皓

2017年(H29)11月14日(火) 昨日から天気は一転、今日は朝から雨降り。奈良駅に出て、JR加茂駅経由で関西線の大河原駅で降りる。今日の泊まりは、山の中の民宿に泊まるから行くしかないのだ。

東海自然歩道(大河原駅~高山ダム~今山(月ヶ瀬口駅) 概念図

関西本線加茂から大河原駅に向かう車中にて、右側のお坊さんと想定外のハプニングが生まれる

大河原駅7:50着。無人駅で下車すると、例の御坊さんもここで下車する。
雨の中の無人駅に降り立つ人はいないはず。

東海自然歩道は、関西本線と並行して流れる木津川を潜没橋(恋路橋)で対岸に渡る。
雨の木津川は増水している、大雨が降るとこの橋は潜没する。

「恋志谷神社(天満宮)」この辺りは柳生藩の所領地で、柳生十兵衛のお宮だと云う。
後醍醐天皇が愛した姫のために建てたと云われる。石鳥居は正保四年(1647)柳生宗冬寄進と刻まれている。

大河原大橋袂の道標。 右に行けば高山ダム、ここに発電所がある

「大河原発電所」 大正時代に造られた煉瓦造りの発電所。建築学上貴重な建物と説明にある。

この辺りの木津川渓谷は、夢絃峡と言われ、川床の奇岩が美しい

自然歩道は川に沿って高山ダムに向かう

「高山ダム」 昭和44年完成のアーチ重量式コンクリートダム。貯水量5,680万m3、堤の高さ67m
灌漑用、洪水対策、発電等多目的ダム。

「月ヶ瀬口駅」 道路より高い所に駅がある。写真はプラットホーム、雨降りやまずトンネルの中で雨宿りを兼ねて小休止。

ここから林道をひたすら歩いて押原、野殿に向かう 3時間半かかる。 町の人は左側の白い道を行けと教えてくれたが、不安があるので止めた。

野殿に着いても雨は止まない、道は平坦になったから歩きやすくなった。

      童仙房への道

童仙房五番に着いた、今は廃校となった小学校を右手に、童仙房(原山方向)に向かう
童仙房は一番から八番まであり、明治に入って番号順に、次々に入植していったという。また野殿は、柳生一族の集落であると言う。

「泥洹寺」 ないおん寺 童仙房四番にある無住のお堂だ

「民宿 童仙房山荘」 ここに宿があるのでとても助かる。もし宿泊出来なければ、2時間歩いてバス停原山に着いて、加茂駅に出る事になる。夏は良いが、いまどきは山の中で日暮れとなる危険だ、ここの住所は京都府相良郡南山城村童仙房と言い、京都府唯一の村となっている。

「高麗寺」 野殿から車で10分の所に在る山奥の韓国のお寺。

        
「曹渓宗総本山 高麗寺」 韓国のお寺 
朝電車で会ったお坊さんが、この寺に所要があって、朝関西本線で私の隣に乗り合わせたのだ。
寺を案内するからと、わざわざ宿まで迎えに来てくれた。

韓国系らしい飾りに異国を感じる

高麗寺の代表・管長の崔さんがわざわざ宿まで訪ねてきてくれた。
日本・韓国の過去そして将来についてじっくり話し、楽しい一時を過ごした。

今宵は独り猪鍋をつつく。

[参考タイムを記す] JR奈良駅(7:12)→大河原駅(7:51)→恋志谷神社(8:10)→大河原大橋(8:25)→高山ダム(9:20-9:30)→月ヶ瀬口駅(10:30-10:40)→押原(11:20)→野殿(14:20)→童仙房山荘(15:30)
 
この項完

東海自然歩道を歩く(65)童仙房・原山・鷲峰山・郷之口・宇治駅に続く