紀行

東海自然歩道を歩く(65)
童仙房・鷲峰山・郷之口・宇治

 平成30年6月8日 池内淑皓

2017年(H29)11月15日(水)天気良し、昨日とは違って英気充分で出発。
今日の行程は一山越えて、一旦門前・原山と言うバスが通る集落に出て、また山に入る。鷲峰山(金胎寺(682m)にあるお寺を訪ね、宇治田原町に出てから、宇治駅までバスに乗車し、駅前のホテルに宿泊する予定。

東海自然歩道(童仙房山荘~原山~鷲峰山(じゅうぶさん)(金胎寺) 概念図

雨はすっかり上がっている、7時宿の主人に見送られて出発 

童仙房は高原状の大地であるが、わずかの平地に稲田と茶畑が広がる、最近は近畿の軽井沢と言われるようになったと言う程の冷涼な気候だ。
           
自然歩道は集落への道と分かれて、山に入る。

朝霧が立ち込める山間の朝は寒い。

原山への道もなかなか風情があるいい道だ
          
原山の近くになると、山の駆け上がりに茶畑が広がる。霧が茶の品質に重要な事は、静岡を歩いてきて良く分かった、もう宇治が近いのだろう。

原山集落に到着。ここはバス道路で、JR加茂行きのバスが一時間に一本発着している。
        
バス停前から鷲峰山(金胎寺)への参道が延びている。
私も丁目石に導かれて登ってゆく、この石は頂上にある「金胎寺」への標となっている。

集落の曲がり角には、丁寧に道標と案内板がたくさん設置されており、安心して歩ける。

原山集落最上部から見た街と、今朝下ってきた童仙房の山脈

道は金胎寺への参道に変わった

金胎寺境内に到着。
この山は古くは「空鉢の峰」と称し、大和の大峰山に対し、北大峰と称されていた

鷲峰山一帯が「金胎寺」境内となっており「京都府歴史的環境保全地域」に指定されている。
七世紀頃、役小角によって開創されたと伝える、山岳霊場の地として自然が保持されてきた。 

「本堂」 養老六年(722)大澄大師によって再建、中興の祖となる。

「多宝塔」 その後伏見天皇が退位に際しこの寺で出家し、多宝塔を建立した。
鎌倉時代の1331年鎌倉幕府によって、焼き討ちに会う。 

「宝篋印塔」 国指定重要文化財 正安二年(1300)の銘がある
江戸時代も修験者の行場として盛んであった

東海自然歩道(金胎寺~御栗栖神社~宇治田原町 郷之口バス停) 概念図

鷲峰山を降りると、今度は地福谷林道の快適なトレイルを歩く。

いつもながら、このような素敵な道を独り占めするのはもったいない。多くの人が歩いて欲しいものだ

「御栗栖神社」 この里の産土
大海皇子(天武天皇)が大津から吉野へ下るとき、村人から栗を献上されたと伝える。

社殿は 国指定重要文化財

山里の日暮れは早い、3時を回ると日はぐっと西に傾く。 15:09の宇治駅行きバスに乗る

          
この項完

[参考タイムを記す] 童仙房山荘(7:05)→門前前原(9:00-9:15)→鷲峰山(11:00-11:45)→鎌磨橋(13:25)→御栗栖神社(13:50-14:05)→宇治田原郷之口バス停(14:30-15:09)→JR宇治駅(15:50)  22km、36,000歩

東海自然歩道を歩く(66)宇治駅・郷之口・白山神社・平等院・宇治駅に続く