ウオーキング川柳(132)
『トンボロ歩きでちょっと冒険』

洗面所 朝の小さな 小競り合い   奥田公園 減価償却 進む足   断捨離の 整理を終えて 足活かす   後ろから 追伸右寄れ 左寄れ   蓮池の 亀も開花を じっと待つ   ゆるやかに 老化と行進 境川   老稚園 トンボロ歩きで ちょっと冒険   干潮の 隙間を渡った 大百足   海難の 救助のごとく 梯子かけ   老境に 入った足が もつれ出し   新婚旅行 交通公社の 頃でした   戦前の 昭和ますます 遠くなり   小田急の 竜宮城は スケルトン   側杖の がてんが行かぬ うまい筆   今日の締め 側杖いつもの 端数処理   玄関の 靴の港に 老いた靴      以上いつもの十六句です。    九割根性で歩いた黄昏のウォーカー                       金子